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 週末から27日にかけて日本列島は広く高気圧に覆われ、各地で猛暑日(最高気温が摂氏35度以上の日)となった。中でも暑さが目立ったのが北海道東部。26日には佐呂間町で39.5度を観測した。

 北海道で5月に35度以上となったのは観測史上初めて。27日も午後2時時点で、帯広市や芽室町、音更町などで猛暑日となった。JR北海道は、猛暑の影響でレールの温度が上昇し、変形する恐れがあるとして、函館線の札幌―岩見沢間などで特急など55本以上を運休した。

北海道帯広市では26日に最高気温38.8度を記録した。(写真:共同通信)

 「暑さ」はこれまで地方自治体の間でたびたびPRのネタになってきた。2007年8月には埼玉県熊谷市と岐阜県多治見市で40.9度を記録。これは1933年7月に山形市で記録された40.8度の過去最高記録を74年ぶりに更新する数字で、熊谷市は「あついぞ!熊谷」をキャッチコピーに掲げて市をPR。Tシャツやタオルなどのグッズも販売し、多治見市や群馬県館林市、高知県四万十市などと「暑さ日本一」でしのぎを削ってきた。

 いわば元祖「暑い町」の熊谷市だが、実は2016年度から「あついぞ!熊谷」というキャッチコピーの使用をとりやめている。「移住促進や観光にマイナス」といった批判もあって、暑さそのものではなく、暑さへの対策で日本一を目指す方針に転換している。

 政策調査課の平雅史課長は「注目を浴びたことは確かだが、市民の健康を守ることが第一。暑さを競うようなことは本来的でなく、暑さ対策に力を入れたい」と話す。熱中症の応急処置に必要な冷却剤や飲料水、うちわなどのキットを公共施設に整備したり、熱中症予防の啓発活動を中学校で実施したりと独自の取り組みに力を入れる。

 気象庁のデータによると、全国13地点の猛暑日の年間平均日数は増加傾向にあるという。5年移動平均で見ると、特に1990年代半ばから猛暑日が増えていることが分かる。

 熊谷市は昨年7月に41.1度を記録し、「暑さ日本一」に返り咲いている。だが、日本全国が「暑い町」になってしまった今、暑さをPRする意味はない。それどころか、高い気温が各地で大きな問題になっている。図らずも課題先進地域となった熊谷の対策から学べることも多そうだ。

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