日本政府は2020年5月25日、新型コロナウイルスの新規感染者が抑えられていることから当初の予定を早めて緊急事態宣言の全面的な解除に踏み切った。安倍晋三首相は同日の記者会見で「これからは感染リスクをどうコントロールするかという発想が大事になる」と述べ、経済活動再開を見据えた発言を繰り返した。

 新型コロナの感染拡大で国から「人との接触8割削減」の要請を受けた企業は、在宅勤務の推進などの対策に追われてきた。緊急事態宣言が続いていた東京、埼玉、千葉、神奈川、北海道の解除によって、企業の活動も徐々に平時に戻ることになる。

 だが、依然として感染拡大の第2波を危惧する声は根強い。多くの企業は全社員を一気にオフィスに戻してよいものかの判断に悩む。部署単位で在宅勤務を続けるところもあれば、コワーキングスペースの併用を検討している企業もある。密閉、密集、密接という「3密」になりがちなオフィス環境改善の検討に着手した企業も多いようだ。

3密対策の問い合わせが急増

 「緊急事態宣言解除を見越した企業からの、オフィス内での3密を防ぎたいという問い合わせが急増していた」。こう話すのは、オフィス関連事業を手掛ける内田洋行の担当者。同社は築年数の古いオフィスビルでも空調や換気、照明といった様々なシステムを自動的に集中制御できるスマートビル化の事業を展開してきたが、3密対策という新たな需要が生まれているという。

 建築物衛生法では、屋内の二酸化炭素(CO2)濃度は1000ppm以下が望ましいと規定している。これまで内田洋行は、会議室をはじめとする閉鎖空間を快適な状態に保ち続ける仕組みを企業に導入してきた。温湿度センサーやCO2センサーを設置し、「インテリジェンスコントローラー」と呼ぶ監視制御装置にリアルタイムでデータを集約。換気装置など様々な設備に指示を送って快適な空間をキープする。

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