
マツダは24日、主力となる小型車「MAZDA(マツダ)3」の国内販売を開始したと発表した。設計やエンジンなどを見直した新世代商品群の第1弾だ。日本で「アクセラ」として販売されてきたが、今回「マツダ3」に車名を変更した。
都内で開いた発表会で、丸本明社長は「規模の大きくないマツダとして存続するため、必要なのは独自性だ」と訴え、フルモデルチェンジに自信を見せた。例えば、マツダ3のシートはドライバーの骨盤を立たせるような設計にした。体のバランスを取りやすくすることで、ドライブ中も疲れにくいという。また、自動車の側面に凹凸をつける「キャラクターライン」と呼ばれる線をなくし、デザインをより滑らかにした。「ラインが無い分、鉄板をプレスする際の圧など熟練の技術が詰まっている」と商品本部の別府耕太主査は話す。
デザインや設計の新しさと、熟練の技を詰め込んだマツダ3。今回、日本でなじみのあったアクセラからマツダ3へブランドを統一するが、どんな意図があったのか。
「マツダ3にはすべての技術を注ぎ込んだ」、「(ブランドを国内外で統一するのは)その自信と決意の表れ」と別府氏は話す。国内営業本部の齊藤圭介氏は「アクセラをなくさないほうがいいという意見もあったが、ブランド力を強化し、選んでもらえる車にする」と話す。「日本の自動車会社が作ったアクセラというクルマ」ではなく、これからは「マツダのクルマ」として消費者に理解してもらう狙いだ。
個性のあるデザインやエンジンで根強いファンの多いマツダ。今後、成長のカギとなるのは海外市場だ。
2019年3月期は中国マーケットの落ち込みで、一時、海外での販売台数が落ち込んだ。20年3月期は前期比4%増の161万8000台を見込む。米国市場の販売網をテコ入れし、21年3月期にはトヨタとの合弁工場が稼働するなど、海外市場で一段の成長を計画する。
「日本だけでビジネスをしていない。グローバルでのブランド認知を高めていきたい」と丸本社長は話す。日本では技術やデザインで競合他社との違いを見いだしてきたが、マツダ3へのブランドの統一とともに世界で一段の成長を目指す。
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