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パーソナルデータへの投資も対象に

 小野氏は社内管理の見直しも必要だという。「中国籍の従業員に対して、自社やグループ内で米国製の技術に対するアクセス権限をどの程度付与して、どのようなファイアウオールを構築しているのか。これまで以上の情報管理の徹底と米当局へのアカウンタビリティーが求められる」

 ファーマはテクノロジーを持っていたり、重要な役割を果たしたりする米国企業への出資だけでなく、米国内のセンシティブなパーソナルデータへの投資も対象にしているのが特徴だ。医療やヘルスケアなどの企業も注意が必要だろう。

 現時点でどのようなテクノロジーがファーマの対象になるのか、明確になっていない。経済官庁の関係者は「あえて明確にせず、適用できる範囲を広げておくのではないか」と言う。

 いずれにしても米国がECRAやファーマなどの法案を準備して、中長期的な視点で中国に対処しようとしてきていることが分かる。海外でのM&A(合併・買収)や取引が多い日本の大手企業は、担当部署がファーマやECRAへの対策を進めていることだろう。ただし、小野氏は「経営トップの理解が不足していれば、企業としての対応は後手後手になる」と警鐘を鳴らす。

 ファーマの規制対象になると、企業はその対応に相当のエネルギーを消費することになりそうだ。「ファーマは米国対企業の問題となる。日本企業がそれぞれ対処しなければいけない可能性が高い」(経済官庁の関係者)。日本企業もひとごとと考えずに注視しておく必要がありそうだ。

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