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 状況が変わったのは2018年11月だ。犯罪収益移転防止法の施行規則改定によって、オンラインで完結する本人確認方法が認められた。LINEはこのキャンペーンに合わせてNECが提供する顔認証を使ったオンライン本人確認サービス「Digital KYC」を採用。必要項目を入力し、身分証と自身の顔をスマートフォンで撮影してアップロードすることで、最短で数分で本人認証が完了する仕組みを整えた。

 「実質1000円で資金移動口座が開くのであれば、獲得コストは圧倒的に安い」と競合他社の関係者は語る。そのため、決済業界では「LINE Payの今回のキャンペーンはオンライン完結型の本人確認がどこまで利用者のハードルを下げるのかを見る試金石になる」(決済事業者幹部)との声が多い。

 本人確認後のアカウントでは、決済だけでなく送金も可能になる。あるスマホ決済事業者の社長は「決済利用だけでなく送金機能が活性化すれば、アプリの利用頻度は圧倒的に高まる」と見る。

 今回のキャンペーンの初速は上々。LINEの舛田淳取締役CSMOは「開始から約1日で880万人以上の方が送付しており、5月21日16時時点で既に約88億円相当分が消化された」と明かす。6月には決済時にキャッシュバックするキャンペーン「Payトク」も投入するなど、一気にキャッシュレスの覇権を取りに行く考えだ。

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