NTTドコモは5月19日に新サービス・新商品発表会を開催し、エンターテインメントサービスを強化する方針を改めて打ち出した。しかしエンタメ重視は昨年の5G商用サービス開始時と変わらず、既視感は否めない。足元の契約数は順調に推移しているが、井伊基之社長は「5Gの良さを体感できるサービスが整っていない」と認める。料金値下げの影響を、5Gによる通信量の増加でカバーしていく戦略は道半ばだ。

NTTドコモの井伊基之社長(左)とカプコンの辻本春弘社長COO(右)は、互いに向けて「必殺技」を繰り出した。
NTTドコモの井伊基之社長(左)とカプコンの辻本春弘社長COO(右)は、互いに向けて「必殺技」を繰り出した。

 「波動拳っ!」――。5月19日にNTTドコモが開いた新サービス・新商品発表会で、井伊基之社長が異例のパフォーマンスを披露した。カプコンの辻本春弘社長COO(最高執行責任者)を壇上に招くと、定番の握手ではなく、同社の人気ゲーム「ストリートファイター」を代表する必殺技で向き合ったのだ。

 ドコモの狙いは、運営するeスポーツ事業「X-MOMENT(エックスモーメント)」のてこ入れだ。エックスモーメントは2021年1月から複数のリーグ戦を開催しているが「競い合うゲームタイトルの知名度が低く、愛好者以外には知られていない」(関係者)のが実情だ。そこでカプコンと提携し、一般ユーザーにも有名なストリートファイターのリーグ戦を10月から開催する。

 ドコモがeスポーツに力を入れるのは、高速通信規格「5G」の普及に寄与するキラーコンテンツと考えているからだ。今回の発表会では、この他にライブ配信サービスの刷新やVR(仮想現実)イベントの開催なども挙げた。しかしどれもが昨年の5G商用化前から打ち出していたサービスで、新鮮味に欠けるのが正直なところだ。

好調な5G契約は実力値からかい離

 5G契約数そのものは順調に推移している。ドコモは21年3月末までに250万契約を目標にしていたが、それを上回る309万契約で着地した。5月19日には、既に400万契約を突破したと公表。22年3月末までに1000万契約を目指すとしている。

 とはいえ、通信業界では5Gサービスが支持を集めているという手応えはあまりないようだ。

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