コンビニエンスストア各社が、店舗と購入者をつなぐ「ラストワンマイル」戦略を加速させている。

 日本フランチャイズチェーン協会によると、2020年のコンビニの売上高は前年比4.5%減で、来店客数も10.2%減となった。在宅勤務が定着したり、消費者の外出控えが続いたりしたことによる来店客の減少と、それに伴う売り上げの落ち込みが鮮明になっている。

ナチュラルローソンはフード宅配大手のWolt(ウォルト)と組んだ
ナチュラルローソンはフード宅配大手のWolt(ウォルト)と組んだ

 そのような中で、コンビニ各社が注⼒しているのがデリバリーサービスだ。ローソンは4⽉28⽇から、都内13店舗のナチュラルローソンで配達代行の「Wolt(ウォルト)」と組んでサービスを始めた。ローソンが組む配達代行業者はこれが3社目で、現在、約1570店舗で宅配が可能になっている。

 ファミリーマートも、デリバリー、テークアウトアプリを展開するmenu(東京・新宿)と組み、約50店舗で展開。セブン-イレブン・ジャパンも物流大手のセイノーホールディングスが設立したGENie(ジーニー、東京・中央)などと組んで、約370店舗で宅配サービスを行っている。21年度中に1000店舗まで増やす計画だ。

デリバリーサービスに慣れた消費者

 各社が力を入れる背景には、コロナ禍でフードデリバリーサービスが消費者の生活に根付いたことがある。多くの飲食店が休業や時短営業を迫られる中、宅配代行業者と連携してデリバリーサービスを始めた。ICT総研(東京・中央)によると2020年のフードデリバリー市場は前年比19%増の4960億円。21年も14%の成長を見込む。

 これまでコンビニの強さの1つは家庭からの「近さ」だった。都市部の場合、300m歩けば、どこかのチェーンの店舗が1つはあるといわれる。しかし、フードデリバリーに慣れた消費者にとっては、「300m歩かないとたどり着かない店舗」になってしまった。こうした意識の変化に、コンビニも対応を急いでいる格好だ。

 一方、各店舗にしてみれば、デリバリーは商圏を広げることにもつながる。ローソンの店舗の中には、売り上げの2割をデリバリー販売が占めるところもあるという。

 さらにデリバリーアプリ上では主に外食店との競合になるため、コンビニの商品が相対的に低価格に見えることも強みになる。小売市場ではスーパーやドラッグストアと比べると単価が高くなってしまうコンビニだが、デリバリー市場では優位に立てる。

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