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 パナソニックが5月16日、シェア自転車事業に参入すると発表した。日本ではNTTドコモやソフトバンクが都市部を中心に展開しているが、普及度合いは今一つ。2016年ごろから普及した中国でも過当競争で苦戦する企業が目立つ。今さら感のあるシェア自転車サービスを手掛けるパナソニックに勝算はあるのか。

パナソニックが横浜市で始めるシェアリングサービスで用いるIoT機能付き電動アシスト自転車

 横浜市のスマートタウンでIoT機能が付いた電動アシスト自転車を使ったシェアリングサービスを始める。9月まで実証実験として、最寄りの東急東横線の日吉駅(横浜市)前や、慶応義塾大学の学生寮など4カ所の駐輪場に30台の電動アシスト自転車を用意し、交通手段の一つとして使ってもらう。100人のモニターを登録し、利用状況を見た上で価格などを設定、10月からの商用化を目指す。

 シェアリングのIoT電動アシスト自転車を使うには、スマートフォン(スマホ)で専用サイトからIDとパスワードを取得してログイン。スマホを自転車の後輪部に付いているQRコードにかざすと電子錠が開く仕組みだ。利用者は走行距離や場所が記録できる一方、事業者側は電池残量のほか日本版全地球測位システム(GPS)で位置情報が把握できるため盗難も防止できる。

 シェア自転車サービスはNTTドコモやソフトバンクなどが都市部を中心に展開しており、パナソニックは後発となる。それでも参入する狙いについて、パナソニックサイクルテックの谷澤孝欣取締役は「私たちは、車体を持っている会社。フレームもユニットも自社で作れる」と話し、他社との違いを強調した。

パナソニックは横浜市でシェア自転車サービスを始める

 パナソニックが最終的に狙うのは、メーカーとしての「モノ売り」だ。同社は電動アシスト自転車を得意としており、この自転車の利用場面を広げることで、自転車そのものの拡販につなげようというわけだ。谷澤取締役は先行するNTTドコモなども「私たちのお客さまにもなる」と話す。