「伊藤忠商事史上、最高、最良の決算と評価できる」

 5月8日午後1時すぎ。鈴木善久社長は、同社の2020年3月期決算をこう総括した。丸紅が18年ぶりの赤字に転落し、三井物産や住友商事が利益目標を下回るなど他社が新型コロナウイルスの逆風に苦しむなか、最終利益で期初予想の5000億円を超える5013億円をたたき出し、「コミットメント経営」を貫いたとの自負であふれていた。グループ会社のコスト管理を徹底し、分散した利益源が業績を手堅く支えた。

 決算発表前、商社業界では「首位交代」が起きるとの観測があった。20年3月期の業績予想は、長らく商社トップの座にある三菱商事が5200億円と、伊藤忠商事(5000億円)を上回っていたが、三菱商事は4~12月期の最終利益の通期予想に対する進捗率が72%とはかばかしくなかった。

(写真=左:森田直樹/アフロ、右:アフロ)
(写真=左:森田直樹/アフロ、右:アフロ)

 さらに新型コロナウイルスの感染拡大で原油などの資源価格が低迷していることによる損失を計上し、最終利益は5000億円を下回るのではないかとの見方がでていた。一方の伊藤忠商事は業績予想として公表していた5000億円を達成。これを受けて、他の商社からも「伊藤忠はすごい」との声が上がった。

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