「電波の入りが悪い」「つながらない」——。ここ数カ月、SNS(交流サイト)を中心に、NTTドコモの回線がつながりにくいという不満が噴出している。高い品質を売りにしてきたドコモの回線に何が起きているのか。こうした声に押される形で、ドコモは緊急対策に乗り出した。

(写真=共同通信)
(写真=共同通信)

 「都市部や駅、駅周辺の一部混雑エリアで通信速度が低下する事象が発生している。エリアの調整が不足していた」

 NTTドコモの林直樹無線アクセスネットワーク部長は、昨今SNSで目立つドコモ回線の品質低下について、こう反省の弁を述べる。

 普段ドコモ回線を使っている筆者も、ここ最近の品質低下を実感している。駅前の店舗などでスマートフォン決済の画面を出そうとしても、なかなか画面が表示されないのだ。店員も「最近、スマホ決済で待たされている人が増えていますね」と話す。

 今、ドコモ回線に何が起きているのか。

 NTTドコモの引馬章裕ネットワーク部長は「5G展開の過渡期ならではの問題が起きている」と語る。一体、どういうことか。引馬氏は「(5G専用帯域を使い高速・大容量な)『瞬速5G』の基地局が未整備なエリアでは、既存の4G基地局だけで対応しなければならない。都市の再開発で、従来の基地局を撤去しなければならなくなったり、人の流れが変わったりするケースがあり、想定よりも通信容量が逼迫するエリアが出てきている」との事情を明かす。

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