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 パナソニックとトヨタ自動車は5月9日、住宅事業の統合を発表した。同額出資する新会社「プライム・ライフ・テクノロジーズ」を20年1月7日に設立し、両社が傘下に置く住宅メーカーや建設会社を移管する。三井物産からの出資も予定する。パナソニックのライフソリューションズ社社長を務める北野亮専務執行役員が新会社の社長に就く。

新会社の社長に就くパナソニックの北野亮専務執行役員(右)とトヨタ自動車の白柳正義執行役員

 「住まいづくりほど大切な仕事はない」。パナソニック創業者の松下幸之助氏のこうした思いから1963年に生まれたのが現在のパナソニックホームズだ。パナソニックの津賀一宏社長は就任翌年の2013年3月に策定した中期経営計画で、自動車と住宅関連の事業で成長を目指すと宣言した。パナソニックホームズを17年に完全子会社にするなど事業の強化に取り組んできたが、家電などとの相乗効果は思うように生まれなかったのが実情だ。

 一方のトヨタの家づくりの原点も、創業者・豊田喜一郎氏の「日本の住まいをよくしたい」の思いだ。製造業でありながら住宅事業を守ってきた2社による事業統合について「きわめてスムーズに会話できた」と北野専務執行役員は振り返る。「住宅や街づくりは製造業とは経営の仕方が大きく異なるが、それらが両社にとって重要な事業であることは変わりない。そう考えると今回の形が一番いい」とした。

 30年には住宅着工数が現在の7割程度にまで減るといわれる住宅メーカーとしての危機感と、自動運転車や新しい移動サービス「MaaS」の到来が突き動かした両社の事業統合。短期的には、パナソニックホームズ、トヨタホーム、ミサワホームの3社の事業効率化と、パナソニックとトヨタの製品やサービスを導入できる住宅の増加という効果が得られそうだ。

 最終目標とする、自動運転などを前提とした街全体での価値創出をどれだけ実現できるか。投資回収モデルが製造業とはまったく異なる事業でのかじ取りが試されそうだ。

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