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(写真:ロイター/アフロ)

 ソフトバンクグループの国内通信子会社ソフトバンクは2019年5月8日、兄弟会社であるネット大手のヤフーを第三者割当増資を通じて連結子会社化すると発表した。6月までに4565億円を投じてヤフーが新規発行する15億1147万8050株を取得する。

 両社はもともとサービスの連携を強めて相互送客を図ってきた。例えばヤフーが17年2月から始めた「ポイント10倍キャンペーン」。ヤフーショッピングの利用で与えられるポイントは、通常100円の買い物につき1ポイント。それに対して、ソフトバンクのスマホ利用者には10倍の10ポイントをつけた。これもあって17年4~9月期のヤフーショッピングの取扱高は前年比39%増の1407億円と大きく伸びた。

 こうした取り組みを加速させるのがヤフー子会社化の主な目的だ。ソフトバンクの宮内謙社長は同日開催した決算会見で「非通信の分野をより強化するため」とヤフー子会社化の狙いを説明。背景にはソフトバンクが主戦場としてきた国内通信市場は成熟が進んでいることがある。ポータルサイトで高いシェアを持ちEC(電子商取引)でも幅広いユーザーを持つヤフーとの連携強化で成長を維持したい考えだ。

 一方で、ヤフーの経営がこれまでもソフトバンクグループの意向に左右されてきた面がある。2009年にソフトバンクがデータセンター子会社を約450億円でヤフーに売却。14年に勃発したヤフーによるイー・アクセス買収中止騒動も記憶に新しい。当時、ヤフーは国内携帯電話4位だったイー・アクセスをソフトバンクから買収すると発表。ヤフーの検索サービスなどを手軽に利用できるスマホの開発などの成長戦略を打ち出したが、この買収でソフトバンクに約4500億円を支払うことが判明した。ヤフーの株主が「親会社の資金繰りを助けるためか」と反発する中、計画は発表から2カ月で白紙に戻った。こうした経緯はありながらも、兄弟関係から親子関係に変わるソフトバンクとヤフー。資金の融通にとどまらず、通信とネットを融合させた魅力的なサービスの創出など真の相乗効果につなげられるか。

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