車両は最新、かつ日本流の工夫が随所に
ブンデランHI駅から5駅先のスナヤン駅まで、約6㎞の区間は地下を走る。このインドネシア初の地下区間工事は三井住友建設や清水建設、大林組が現地の建設会社と共同で担った。駅にはホームドアが設置されており安全性は高い。ちなみに軌道や運行システムは、三井物産や神戸製鋼所、東洋エンジニアリングなどが手掛けた。
電車は10分に1本の間隔でやってくる。住友商事と日本車輌製造が納入した最新型の車両だ。インドネシアに日本製の新型車両が輸入されたのは約20年ぶりだという。運転は基本的に自動で、運転士がボタンを押せば走り出し、駅に入れば自動で止まる。日本に先行して導入されたシステムだ。
もっとも、安全でスムーズな運行を日々実現するには、運転士にも相応の質の高さが求められる。その訓練はJR東日本やJR西日本、東京地下鉄などが出資する日本コンサルタンツなどが担った。報道によれば、JMRTの運転士は日本語で指差し確認するなど、日本流の安全運行策が取り入れられているという。
日本製車両だから当然かもしれないが、車両は外観も内観も日本仕様で、乗り心地もほぼ変わらない。走りはなめらかで揺れは少ない。車内にはつり革があり、ドアの上部にはディスプレイが設置され、現在地や目的地、さらに各駅ごとにエスカレーターやエレベーターの場所まで表示してくれる。停車駅名やどちらのドアが開くかを伝えるアナウンスもある。いずれも日本ではお馴染みだが、東南アジアでは必ずしも常識的なサービスではない。


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