(写真:PIXTA)
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 JR東日本とJR東海が4月25日に発表した2019年3月期の連結決算はいずれも純利益がそれぞれ過去最高となった。JR東は売上高が初めて3兆円を超え、純利益は前期比2%増の2952億円に。JR東海も過去最大の売上高で、純利益は4387億円と10.9%も伸びた。

 いずれも、けん引しているのは訪日外国人(インバウンド)をはじめとした新幹線利用者の増加だ。東海道新幹線が主力のJR東海は新幹線の売り上げが385億円伸びて1兆2918億円となった。JR東も、東北・上越など新幹線の売り上げが90億円増加し、在来線収入も首都圏を中心に110億円伸びた。会見でJR東の松木茂常務は「景気動向や輸送ネットワークの充実に加え、インバウンドの増加で好調だった」と説明する。

 20年3月期の予想では、リニア中央新幹線の建設費用が増加するJR東海は減益となるものの、売上高は両社とも運輸事業を中心に増収を見込む。政府が20年の訪日外国人を4000万人とする目標を掲げる中、19年度もインバウンド需要は伸びるとみられており、皇位継承に伴う10連休など追い風となる要素も多いからだ。

 JR東は17年度に235億円だったインバウンドの鉄道事業収入を27年度には470億円に、129億円だった生活サービス事業収入を270億円にする目標を掲げて海外販売網の構築に注力するなど、各社の視線は国外にも向いている。今後、沿線人口の減少が予想される中、インバウンドの取り込みはますます熱を帯びそうだ。

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