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西川社長は5月14日の決算発表で下方修正の理由などを説明する予定だ(写真は18年5月の決算発表時のもの)

 日産自動車は4月24日、2019年3月期の連結純利益が前の期比57%減の3190億円になったと発表した。従来予想を910億円引き下げた。2月に次ぐ下方修正の理由の一つとして日産が挙げたのが「一連の問題の販売への影響」。元会長のカルロス・ゴーン氏を巡る一連の問題が、販売面でもボディーブローのように効いてきたとみられる。主力の北米市場で販売奨励金への依存でブランドが痛んでいることに加え、元トップを巡る問題がさらにブランド価値を下げる方向につながっているようだ。

 「(トップの不正で)ブランドは影響を受けている」。4月8日、ゴーン氏の取締役退任を決めた臨時株主総会で日産の西川広人社長は株主からの質問に対し、こう答えている。都内のある日産販売店のスタッフは「今でこそ客足は戻っているが、ゴーンさんが逮捕された当初はお客さんの波が引いた。経営の混乱に対し、お客さんは敏感だ」と話す。確かに日本国内での新車販売は18年12月から19年3月まで前年割れが続いている。

 2度目となる前期決算の下方修正。営業利益でいえば2月時点の4500億円から3180億円と1320億円の下方修正となる。米国市場で主力セダン「アルティマ」などの無段変速機(CVT)の保証期間延長に伴うコスト増が660億円発生したことに加え、台数を追う路線からの転換などにより、販売台数を下方修正したことに伴う430億円の減少が大きい。

 「米国では車としての価値が十分ではない。インセンティブ(販売奨励金)をしないと台数が取れない」。2月12日の18年4~12月期の決算会見でも西川社長は日産ブランドの低下についてこう述べている。そんななかで、日欧では販売台数を2月の見通しからそれぞれ2%強引き下げるなど、トップの不正によるブランド価値の低下が鮮明となった今回の下方修正。日産は5月14日に予定している19年3月期の決算会見で西川社長が自ら下方修正の理由と今期の業績見通しについて説明するとしている。「将来に向けて日産をよい企業にしていく」と話す西川社長の口から傷ついたブランド立て直しに向けた力強い言葉を聞くことはできるだろうか。

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