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 武田薬品工業は4月17日、東京・日本橋にあるグローバル本社1階に健康や身体をテーマにした映像施設「TAKEDA LIFE THEATER」をオープンさせた。入場料は無料で、観光客など一般に向けて広く公開する。

巨大なモニターを備えたことで20~30人が一度に映像を楽しめる

 横幅10メートル、高さ3メートルの大型LEDモニターと、映画館で使用される音響設備を調えた。放映するテーマの第1弾は「腸」で、15分間の映像を通して腸内細菌の役割や、腸内環境を改善する方法を紹介する。腸内にいると太りにくくなる通称「痩せ菌」の発見など、最新の研究内容もコンテンツに盛り込んだ。

 同社コーポレート・コミュニケーションズ&パブリック アフェアーズ オフィサー平手晴彦氏は「痩せ菌ってなんだ? と一般の人でも健康に興味を持ってもらえる施設にしたい」と期待を寄せる。海外観光客に向けて英語版も上映し、今後上映するコンテンツを増やしていく考えだ。

第1弾として腸内細菌などについて15分間のコンテンツを放映する

まちづくりに効くか?

 武田が一般向けに映像施設を構えた背景には、2000年代から三井不動産グループなどが進めてきた日本橋の再開発がある。中央区など自治体も後押しし、2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて「くすりの街」としての日本橋をアピールしたい考えだ。中央区役所の都市整備部担当者は「製薬企業の多い日本橋だからこそ、今回の武田薬品の映像施設のような取り組みが必要ではないか」と話す。

 中央区は再開発にあたり「まちづくり基本条例」を定め、環境保全対策や防災対策を求めている。その一環で「地域貢献に寄与する施設」として、日本橋の製薬企業には薬品の紹介施設などの設置を検討するよう、投げかけてきた。

 こうした求めに応える形で、武田は映像施設をオープンさせた。武田以外にも、第一三共が12年に「くすりミュージアム」を日本橋にオープンさせるなど、一般向けの施設は増えつつある。江戸時代から「くすりの街」だった日本橋。現在は大手製薬企業が立ち並ぶが、まちづくりの特効薬も提供できるか。

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