常温で120日間保存できる「紙パック入りの豆腐」が2021年5月1日から、全国の食品スーパーなどに並ぶ。キャンプ場など外に持ち運べるのはもちろん、豆腐の販路そのものが大きく広がる可能性がある。冷蔵ケースに入れる必要がないため、売り場の制約がなくなるからだ。

国産大豆と水、にがりだけで仕上げた「ずっとおいしい豆腐」。常温で120日間保存できるのが特徴で、全国の食品スーパーなどで販売が決まった
国産大豆と水、にがりだけで仕上げた「ずっとおいしい豆腐」。常温で120日間保存できるのが特徴で、全国の食品スーパーなどで販売が決まった

 商品名は「ずっとおいしい豆腐」。発売するのは、さとの雪食品(徳島県鳴門市)だ。1973年に創業し、豆腐をはじめ、油揚げ、大豆のプリン、おからを使ったスナック菓子など、大豆加工商品を幅広く扱っている。

 ずっとおいしい豆腐は300グラムで171円(税込み)。原料は、国産大豆100%、にがり100%、四国の水。商品名の通り、従来の豆腐よりも「おいしい」を目指して開発し、保存料を加えず、通常よりも固形分が高い濃厚な豆乳を使って、大豆の風味を生かしながら、豆腐本来のうまみを引き出した。

親会社は食品充てん機メーカー

 さとの雪食品はこれまでも「四季とうふ」という商品名で、冷蔵で180日間保存できる紙パックの豆腐を販売してきた。しかし、常温で長期保存できる豆腐を形にするのは、試行錯誤の連続だったという。

 パッケージ化にこぎ着けてからも、「紙パックからなかなか豆腐が出てこない」「製造過程で出た水分により、紙パックがヨレヨレになる」「豆乳とにがりの混合が均一にならず、製品ごとにばらつきが出る」などの課題が噴出した。

 突破口を開いたのは、長年磨いた技術力だった。さとの雪食品の親会社は、食品充てん機メーカーの四国化工機(徳島県北島町)。飲料やヨーグルト、プリン、アイスクリーム、カップ麺など様々な食品に対応し、特に牛乳パックなど紙容器の成形充てん機で国内シェア7割を誇る。食品パッケージの開発、販売も手掛けており、積み重ねてきた知見をフル活用した。

 まずは、豆腐の風味を損なう原因となる酸素や光を通さないようにするため、特殊な紙パックを開発。ポリエチレンを重ね、アルミ箔を挟み込むなどし、プラスチックの使用量そのものを同社従来品と比べて6割削減した。

 同時に製法も見直し、豆乳の無菌化に成功。無菌空間で容器を成型し、豆腐とにがりを即座に密封することで、おいしさを閉じ込めた。

「あり得ない場所」に豆腐が並ぶ

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