新型コロナウイルスによる緊急事態宣言が発出されたことで、在宅勤務が急速に広がっている。安倍晋三首相は4月11日、対象7都府県の企業に対し「オフィス出勤者を最低でも7割減らすよう」要請した。今後、さらにテレワークが進む可能性が高い。

 出社が不要なら、電車やバスの定期券を使う機会はなくなる。年度初めの4月初旬に新しい定期券を購入した人は少なくないだろう。この使わない定期券、一体どうすればいいのか。

 緊急事態宣言が発出された4月7日以降、対象地域のJRや私鉄では“救済策”を打ち出している。通常、払い戻し手続きを申し出た日まで使用したものと見なされるが、今回は4月7日に遡って払い戻される(4月8日以降も乗車した場合は、最終乗車日)。なお、通学定期券の場合は、2月28日に出された休校要請に基づき、それ以降の最終登校日を基準とした払い戻しが可能だ。ただし、払い戻しは1カ月単位となるため、有効期限が1カ月を切っていた定期券は払い戻されない。

 通勤定期も通学定期も、緊急事態宣言が終了した後、1年間にわたって払い戻しを受け付けるので、慌てて払い戻す必要はない。注意すべきなのは、4月8日以降に定期券を利用した場合は、最終乗車日が払い戻しの基準日になる点だ。たまの出勤に定期券を使うと、この最終乗車日が上書きされてしまい、払い戻し対象期間が短くなってしまう。そもそも通勤定期券の割引率は40%前後で、月20日ほど利用しないと元が取れない。出勤の頻度が低い場合、払い戻すことを想定して、通常の切符を使ったほうがトータルのコストは小さくなるケースが多くなるだろう。

 ただし、通勤定期を会社から現物支給されていたり、経費として計上したりしている場合は、勝手に払い戻すと横領に当たる可能性がある。会社が早めに方針を決め、従業員に指示を出すべきだろう。

出張自粛で航空マイルはどうなる

 新型コロナで出張も大きく減っている。これに伴い新幹線などの乗車券・特急券、エアラインのチケットなどは手数料なしで払い戻しが行われている。加えてエアラインでは、マイルや上級会員資格に関する特例も打ち出されている。

 ANAでは、20年3月31日~21年2月28日に有効期限を迎えるマイルや「SKYコイン」(チケットの購入に使えるポイント)について、21年3月31日まで有効期限を延長する措置を取っている。欠航でマイルやポイントを使う機会が失われているためだ。上級会員資格を得るために必要な「プレミアムポイント」の付与数を2倍にすることで、少ない搭乗回数でも上級会員資格を維持できるような施策も実施中。こちらは6月30日までの予定だ。

 JALも同様の対応をしており、7月31日までに有効期限を迎えるマイルや「e JALポイント」(チケットの購入に使えるポイント)について、有効期限を1年間延長したポイントを付与する措置を取る。同じく7月31日までは上級会員資格を得るために必要な「FLY ON ポイント」の付与数を2倍にしている。

 外資系のエアラインの対応はさらに手厚い。米デルタ航空は、現在獲得している上級会員資格を、今後の搭乗回数にかかわらず21年まで適用する。米ユナイテッド航空は、現在の上級会員資格を22年1月31日まで延長したうえで、21年のステータス獲得条件を通常の半分に引き下げる措置を打ち出した。両社の対応からは、上級会員をつなぎ留め、コロナ後もしばらく続く需要低迷に備えようという意図がみえる。ANAやJALも、出張の自粛が長引けば、次の一手が迫られるだろう。

■修正履歴
7月31日までに期限を迎えるJALマイルの取り扱いについて、「期限を1年間延長する」とあったのは、正しくは「期限を1年間延長したe JALポイントを付与する」でした。本文は修正済みです。 [2020/03/16 14:20]

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