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 ソニーやタクシー大手5社が出資する配車アプリ開発のみんなのタクシー(東京・台東)は4月16日、タクシーの配車サービスと決済代行サービスを東京都内で開始した。同社の西浦賢治社長は「数年以内に(最大手の)ジャパンタクシー(東京・千代田)にキャッチアップしていく」と意気込む。

みんなのタクシーはQRコードを使った決済に対応

 みんなのタクシーは、ソニーグループと都内のタクシー会社5社(グリーンキャブ、国際自動車、寿交通、大和自動車交通、チェッカーキャブ)が出資し、昨年9月に事業会社を設立。配車サービスは2018年度中の事業化を目指していた。「若干遅れたが、ようやくサービス化にこぎつけた」と西浦社長は安堵の表情を浮かべる。

 提供を始めた配車アプリは「S.RIDE(エスライド)」。出資企業5社に加え、東京都個人タクシー協同組合のタクシーでも使える。東京都内で呼び出せるタクシーの台数は1万台以上。都内に限定すれば、最大手のジャパンタクシーに肩を並べる計算だ。「月に4回以上、タクシーを利用するようなユーザーがターゲット」と西浦社長。タクシー運転手との簡易なメッセージをやり取りする機能などで使い勝手を高めてジャパンタクシーなど、先行する配車サービスを追いかける考えだ。

 タクシー配車サービスの競争は激しさを増している。ジャパンタクシーや米ウーバーテクノロジーズの日本法人に加え、ディー・エヌ・エー(DeNA)の「MOV(モブ)」、ソフトバンクが中国の配車アプリ最大手、滴滴出行と組んで展開する「DiDi(ディディ)」など、競合がひしめく。配車アプリのダウンロード数が700万を超えるジャパンタクシーを筆頭に、みんなのタクシーはこれらライバルの後じんを拝している状況だ。

「ジャパンタクシーにキャッチアップしていく」と意気込むみんなのタクシーの西浦賢治社長

 巻き返し策の一つが、機能のさらなる強化だ。みんなのタクシーは今年度中に人工知能(AI)技術を活用したタクシーの需要予測を始める。数年先を見据えて、「ソニーのイメージング技術を活用し、安全運転支援サービスの開発を進めている」(西浦社長)という。

 一連のソニーグループの技術力を武器に、みんなのタクシーのアプリに対応するタクシー業者を増やす戦略。「タクシー会社5社が出資していることでも分かる通り、さまざまな業者の意見を聞くことができるのが強み。他社と我々の両方のサービスを使うタクシー会社がいたってかまわない」と西浦社長は話す。

 「マーケットは成熟しておらず、これから始まる段階だ」(西浦社長)。後発のみんなのタクシーは、ライバルたちを巻き返せるのか。「仲間づくり」をいかに拡大していけるかが、勝負の分かれ目になりそうだ。

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