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 マネーフォワードは4月15日、仮想通貨事業への参入を断念することを明らかにした。同日に開催される2019年11月期第1四半期決算発表の記者会見後、18時から報道陣に向けて説明する。

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マネーフォワードは仮想通貨事業への参入を断念(写真:ZUMA Press/amanaimages)

 同社は18年5月に仮想通貨交換業登録を目指すための子会社、マネーフォワードフィナンシャルを設立。18年中の仮想通貨取引所の開設を目指していたが、ライセンスが付与されず、かなわなかった。

 マネーフォワードは依然として「ライセンス付与を受けるのに優位な位置にいる」(仮想通貨業界関係者)。にもかかわらず、業者登録を断念した背景には想定以上に仮想通貨業界の混乱が長引き、これ以上投資を続けるべきではないという経営判断があったようだ。同社の発表は「参入延期」だが、実質的には「撤退」、少なくとも「一時的な撤退」と見るべきだろう。

 仮想通貨業界は18年1月に発生したコインチェックによる仮想通貨流出事件をきっかけに、冬の時代に突入。金融庁は仮想通貨交換業者に立ち入り検査を実施し、業務改善命令や業務停止命令を相次いで発出した。その後、金融庁は同年秋ごろには、本登録を済ませていないみなし事業者に対してライセンス付与の動きを見せていた。しかし、同年9月にはテックビューロが運営する仮想通貨取引所「Zaif」による仮想通貨流出事件が発生。金融庁の態度をさらに硬化させた。

 ビットコインの価格もこの1年半で大幅に下落。17年12月時点では1ビットコインが220万円超の価格をつけていたが、現在では40万~60万円で取引されており、当時の熱は完全に冷めている。

 マネーフォワード自身の事情もある。17年9月に東京証券取引所マザーズ市場に上場した同社だが、市場は黒字化のタイミングを絶えず気にしている。そのため、同社の代表取締役社長CEO(最高経営責任者)の辻庸介氏は18年11月期通期決算の会見で、「21年11月期のEBITDA(利払い・税引き・償却前利益)の黒字化を目指す」と明言した。