約2億6000万人の人口と域内最大の経済規模を持つASEANの大国、インドネシアが大統領選挙を目前に控えている。4月17日水曜日に投開票され、早ければ同日中に大勢が判明する。出馬しているのは再選を目指す現大統領のジョコ・ウィドド氏と元国軍幹部のプラボウォ・スビアント氏。一騎打ちの構図だ。過半の有権者の支持を集めた候補者が5年間、大統領として国を率いる。

一騎打ちの大統領選に挑む現職のジョコ氏(写真左)とプラボウォ氏(写真:ロイター/アフロ)

 世論調査や現地報道などを見る限り、ジョコ氏が再選を果たすとの見方が強い。インドネシア紙「コンパス」が3月発表した世論調査によれば、ジョコ氏を支持する割合が49.2%とプラボウォ氏の37.4%を大きく上回った。

 ただ気になる点もある。プラボウォ氏が追い上げを見せており、両陣営の差が縮まっていることだ。コンパスが18年10月に実施した世論調査ではジョコ氏支持が52.6%だったのに対し、プラボウォ氏は32.7%だった。つまり数カ月でその差は8ポイントほど縮まった。特にミレニアル世代と呼ばれる若年層の間でプラボウォ氏への支持が高まっているようだ。ジョコ氏とプラボウォ氏は14年の大統領選挙でも一騎打ちを演じており、ジョコ氏が僅差で勝利した。今回もまた同じような構図になる可能性はある。

ジャカルタ州知事、実刑判決の衝撃

 ジョコ氏を評価する声は強い。これまでのリーダーと異なり名門の出ではなく、国軍エリート出身でもない。民間企業出身で、前職ジャカルタ州知事時代には多くの成果を上げた。庶民的で市民の目線に立った政治家として人気を集めている。経済政策では外資規制を緩和したり、事業認可を効率化したりするなど、規制を緩めて産業の競争力強化を図り、大規模なインフラプロジェクトを相次いで立ち上げた。インドネシア経済で大きな比重を占める国営企業の効率化にも取り組んだ。

 それにもかかわらず、なぜプラボウォ氏は追い上げを見せているのか。多くの要因が考えられるが、注目したいのは2点。1つは保守的なイスラム教への回帰の動き、もう1つは経済成長の鈍化だ。

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