「車谷暢昭氏より本日付で取締役および執行役、代表執行役の職を辞任したいとの申し出があり、これを受理した」。4月14日に社長交代人事を発表した東芝。オンラインでの記者会見に登壇した永山治・取締役会議長(中外製薬名誉会長)は冒頭、社長交代の経緯を淡々と説明した。

(写真:ロイター/アフロ)
(写真:ロイター/アフロ)

 14日付で車谷社長兼CEO(最高経営責任者)が辞任し、綱川智会長が社長兼CEOに就いた。53年ぶりの外部トップとして2018年4月から東芝を率いた車谷氏は、約3年で退任することになった。車谷氏自身は14日のオンライン会見に登壇しなかったが、「再生ミッションを成し遂げ『天命』を果たせた。東芝を良い会社に戻すことができた」とのコメントを出した。

 綱川氏は16年6月から20年3月まで社長を務めた。その後は取締役会長に就き執行役を外れたが、7日付で執行役に復帰していた。永山氏とともにオンライン会見に登壇した綱川氏は、「まずはステークホルダー(利害関係者)との信頼構築に務めたい」と抱負を語った一方で、「マネジメントも新陳代謝が必要。ミッションを早期に果たし、次につないでいく」と短期政権になる可能性も示唆した。

社内外から突き上げ

 永山氏は会見で「円満辞任」であることを強調したが、額面通りに受け取る向きはない。複数の関係者は車谷氏が辞任に追い込まれたのは「必然」だったと口をそろえる。対決姿勢を強めるアクティビスト(物言う株主)との関係が泥沼化していたからだ。銀行出身者の車谷氏は「アクティビスト対応を期待されていたのに、株主との対話を避けがちだった」と指摘する関係者もいる。

 3月18日にシンガポールの投資ファンド、エフィッシモ・キャピタル・マネージメントなどの提案を受けて開催された臨時株主総会では、20年の総会運営の不備を調査すべきだという株主からの提案が可決された。その臨時総会のきっかけとなった20年の定時総会では、車谷氏の再任に賛成する株主は57%にとどまった。21年6月に開かれる定時総会では、車谷氏が再任されるかどうかが注目を集めていた。

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