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 米ニューヨーク発のライドシェア(相乗り)サービス大手、Via(ビア)が4月15日、日本市場に参入すると発表した。伊藤忠商事、森ビルと合弁会社を設立し、スマートフォン(スマホ)のアプリケーション(アプリ)を介してシャトルバスを配車する。昨年8月から森ビルの従業員を対象にしたサービスを始めていた。今後は日本各地に展開していく。

独ダイムラーなどが出資するビアは、ニューヨークやロンドンなど都市部を中心にシャトルバスでの乗り合いに特化した配車サービスを提供する

 ビアは、イスラエル出身のダニエル・ラモット氏とオレン・ショバル氏が2012年にニューヨークで創業。利用者がスマホのアプリでクルマを呼び出すと、ビアが認定したドライバーが迎えに行く。米ウーバー・テクノロジーや米リフトの配車アプリと使い勝手は似ている。ビアの特徴は1台当たり5~6人以上のシャトルバスを使うことだ。

 ビアの強みは、複数の乗客を乗せながら、全員がなるべく早くそれぞれの目的地にたどり着けるように最適ルートをはじき出せるところにある。必ずしも利用者の目の前にクルマが配車されるわけではないが、利用者が希望する乗り降りしたい場所と、アプリが指定する乗車・降車場所は十分に歩ける距離。あらかじめ決められたバス停まで歩くことを考えると、利便性は高い。

 複数人が利用するシャトルバスが支持される背景には、ウーバーやリフトのアプリ利用者が増え、都市部を中心に渋滞が深刻化していることがある。乗り合いシャトルの利用が広がれば、渋滞問題を解消する有効な手立てにもなり得る。このため、多くの都市の交通規制当局が関心を寄せているという。

ロサンゼルスの空港でウーバーなど配車サービスのクルマを待つ人たち(4月11日に撮影)

 一方、日本では、ウーバーが2013年に日本法人を立ち上げて進出するも、タクシー業界が反発、米国などで展開している相乗り事業を思うように立ち上げられていない。ビアのダニエル・ラモットCEO(最高経営責任者)は同じ轍(てつ)を踏まないためにも「日本市場のことをよく知っているパートナー企業と組んだ」と説明する。「ビアは、その都市の規制に合わせてビジネスモデルを変えてきた。規制のない国では一般人のドライバーに頼むことがあっても、規制のある場所ではバス会社などに運営を委託している。日本でもこの考え方は変えない。結果としてユーザーの利便性を高められ、渋滞などの社会問題を解決できればそれでいい」(ラモットCEO)

 乗り合いに特化したビジネスモデルは日本のライドシェア市場に風穴を開けることができるか。同社の動向に注目が集まりそうだ。

■変更履歴
記事公開当初、森ビル従業員向けサービスを開始した時期を今年7月としていましたが、正しくは昨年8月です。本文は修正済みです。 [2019/4/15 13:37]
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