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 4月18日、画像検索・共有プラットフォームの米ピンタレストがニューヨーク証券取引所に上場した。今年は米配車大手リフトやウーバー・テクノロジーズ、ビジネス用チャットサービスの米スラック・テクノロジーズなど、評価額が10億ドルを超えるユニコーン企業が上場する見込み。ピンタレストも、そんなユニコーン企業の1社である。

 同社は共同創業者のベン・シルバーマンCEO(最高経営責任者)が2010年に創業した企業で、自分で撮った写真や商品画像など、ウェブ上のあらゆる画像をピン留めできるサービスを提供している。月間の利用者数は約2億6000万人と、フェイスブックやインスタグラム、ツイッターと比べれば少ないが、2016年3月末の1億2800万人から2018年12月末の2億6500万人と着実に伸びている。

 先んじて株式を公開したリフトは、直近の資金調達価格の5割増という強気の公募価格を設定したが、上場後に株価は下落、公開価格を下回っている。その影響があったのだろうか、ピンタレストの公開価格は19ドルとそれまでの資金調達価格だった約21ドルを下回る水準に設定されたが、上場初日の終値は24.40ドルと公開価格を上回った。

 フェイスブックやグーグルなどのハイテク大手が上場時に既に黒字化していたのに対して、ピンタレストの2018年12月期決算は約6300万ドルの最終赤字である。赤字企業の上場に126億ドルの評価額がついたことに対して懐疑的な見方もないではない。

 もっとも、ピンタレストはショッピング・プラットフォームとして大きな可能性を秘めている。それは、ユーザーがピンタレストをどう使うかという点に起因する。

 比較対象にされることの多いフェイスブックやインスタグラムの場合、ユーザーは身の回りの話や自分の体験をシェアすることが一般的だ。それに対して、ピンタレストのユーザーはアイデアやインスピレーションを記録、シェアするために同サービスを使う。

 例えば、筆者の米国赴任時代、妻は子供の誕生日会で友達が飽きてしまわないように、パンチボックス(穴を開けてお菓子やおもちゃを取り出す箱)を作ったり、巨大なさいころパズルを作ったり、出し物をいくつも考えていた。そのネタ元はたいていはピンタレストである。

 私自身も、流木アートや収納アイデア、庭の垣根などの画像を好んでピン留めしていたし、子供と作った針金アートやフェアリーガーデン(花や苔、石ころなどの自然素材と陶器の人形を使った西洋風盆栽)はピンタレストでシェアしている。つい最近も子供の二段ベッドにつけるエスカン(角型のS字フック)をアマゾンで探したが、最適なサイズがなかったためピンタレストで画像を検索、最終的にイメージしていたものに近い製品にたどり着いた。

 買う商品が決まっている場合にはアマゾンは極めて便利だが、具体的なイメージが固まっていないことはしばしばある。もっと言えば、何が必要か分かっていないということも少なくない。そういう時は、ピンタレストで画像を検索しながらイメージを膨らませる。