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 公正取引委員会が10日、宿泊予約サイト大手の「楽天トラベル」を運営する楽天と、「ブッキングドットコム」「エクスペディア」の日本法人に立ち入り検査した。独占禁止法違反の疑い。

 各社はホテルや旅行の予約を仲介するネットサービスを運営している。宿泊や旅行のプランを掲載する事業者に対して、予約価格が最安値になるよう求める条項が、「拘束条件付き取引」に該当する可能性がある。

 拘束条件付き取引は、競合よりも安い条件を求めるだけでなく、競合と同じ条件を求める場合も該当する場合がある。仲介手数料などが横並びになり、仲介事業者間の健全な競争の妨げとなりうる。

競争できないビジネス

 ネット予約の仲介業は事業の差異化が難しい。一般的なビジネスモデルは、プランの掲載は無料で成立した予約に対して手数料が発生するもの。宿泊事業者が顧客接点を増やそうと各社のサービスにプランを掲示するため、どの予約サイトでも同じ宿泊プランや旅行プランが並びがちだ。先行者メリットがほとんどなく、仲介サービスの事業努力よりもプランの予約価格が集客力に直結しやすい。

 複数の予約サービスの情報をまとめ、比較するネットサービスも登場している。これも、予約価格の安さ競争に拍車がかかる一因になったとみられる。

 業界でも仲介サービス依存から脱却する動きがある。「ヒルトン」や「ハイアット」など、自社で運営するネット予約が最安となるようにするホテルが増えているのだ。予約による手数料を取らず、広告収入などで運営するホテルを比較できるサービスなども登場しており、公式の予約サイトでも顧客接点を確保しやすくなったことが影響している。

 業界の脱仲介化が進む中で、ネット予約仲介という事業モデルの限界が近いのかもしれない。

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