金融市場にまた一つ、バブルの芽が出てきた。ビットコインなど仮想通貨(暗号資産)と同じ基盤技術「ブロックチェーン」を使い、所有の真正性を証明する「NFT」と呼ぶデジタル資産だ。実物にひも付けるだけでなく、デジタル情報自体を売買することもある。高値を更新し続ける仮想通貨も含め、デジタル資産の膨張が止まらない。次々と新しい切り口で登場する資産に資金が群がる構図には、過去の「バブル」を想起させる危うさが漂う。

ツイッター創業者のドーシー氏による初投稿が日本円換算で3億円を超える金額で落札された(写真:ロイター/アフロ)
ツイッター創業者のドーシー氏による初投稿が日本円換算で3億円を超える金額で落札された(写真:ロイター/アフロ)

 「現状ではカネ余り下での投機の対象の一つになっている感が強い」。野村総合研究所の木内登英エグゼクティブ・エコノミストはNFT(Non-Fungible Tokens 非代替性トークン)の最近の盛り上がりについてこう指摘する。

 例えば3月22日、米ツイッターの創業者であるジャック・ドーシー最高経営責任者(CEO)が2006年3月21日に投稿した初ツイートが競売にかけられ、約291万ドル(約3億2000万円)もの大金で落札された。米プロバスケットボール協会(NBA)所属のレブロン・ジェームズ選手がダンクシュートを決める動画のNFTは、1月に1万ドルだったのが3月には約21万ドルで買い手が付いた。

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