自動車販売の業界団体が2019年4月4日に発表した2018年度の車名別の新車販売台数。2年連続首位のホンダ「N-BOX」を筆頭に、軽自動車が初めてトップ5を独占した。安全性や機能性が高まってきたことで、「日常の足」として消費者のニーズが強まっている。今年は消費増税も控え、消費マインドが冷めることも予想される。日本で独自に進化した軽自動車の快走はまだまだ続きそうだ。

1 ホンダ N-BOX 239706
2 スズキ スペーシア 158397
3 ダイハツ工業 タント 142550
4 日産自動車 デイズ 140053
5 ダイハツ工業 ムーヴ 132320
6 ノート 日産 131760
7 アクア トヨタ 127899
8 プリウス トヨタ 115123
9 ダイハツ ミラ 111757
10 スズキ ワゴンR 102553

 日本自動車販売協会連合と全国軽自動車協会連合が4月4日、車名別の新車販売台数をそれぞれ発表した。全軽自協によると、全体の1位から5位を軽自動車が占めたのは初めてとなる。17年にスズキの「スペーシア」などの人気車種がモデルチェンジしたこともあり、18年度の軽自動車の販売台数も前年度比3.4%増の192万2997台と伸びた。

 「街乗りクルマ」として人気の高い軽自動車だが、そもそも日本で独自に生まれた「ガラパゴス仕様」のもの。デザイン性で心をくすぐるわけではないが、日本で軽自動車の人気が盛り上がるのはなぜか。

 1つは安全性の向上だ。軽自動車は衝突時の安全性などにネガティブなイメージがあった。ただ、自動ブレーキなど安全技術の進化により、懸念が払しょくされつつある。ホンダのN-BOXは17年のフルモデルチェンジの際に安全運転支援システム「ホンダセンシング」を標準装備として搭載。2位のスズキの「スペーシア」も事故を未然に防ぐ予防安全技術を搭載している。

ホンダの「N-BOX」は安全性能を高めたことも消費者の支持を得た理由
ホンダの「N-BOX」は安全性能を高めたことも消費者の支持を得た理由

 消費者のクルマの使い方も変化し続けている。ホンダアクセス(埼玉県新座市)によれば、通勤車として軽自動車を利用する人が4割を占めた。小回りが利き、広い室内空間に荷物を多く積めるモデルを各社が投入していることもあり、女性の利用が全体の53%と高かった。

 全軽自協は19年度の販売見通しを前年度比3.3%減の186万台とするが、「今後、ダイハツなどのモデルチェンジもあるため、上振れする可能性は高い。一気に反動減することはない」とみる。今後も軽自動車の販売台数は安定して推移しそうだ。

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