全日本空輸(ANA)は4月に予定していた欧州エアバスの超大型旅客機「A380」の導入を半年程度、延期する方針を固めた。2019年にA380を2機、ハワイ路線に採用。6月からは3機体制にして輸送力を強化する考えだったが、新型コロナウイルスの感染拡大のあおりで同路線は運休が続いている。航空需要の低迷や運休でANAの資金繰りは悪化している。500億円近くといわれるA380への支出を遅らせる狙いもある。

 A380はエアバスが製造する2階建ての世界最大の旅客機で、座席数はANAの主力機、米ボーイング「787」の2倍以上となる520席を誇る。ANAは19年5~6月にA380を2機、成田―ホノルル線に投入し、週14往復のうち10往復を同機で運航していた。

ANAは2019年、欧州エアバスの超大型機「A380」をハワイ路線に就航させた
ANAは2019年、欧州エアバスの超大型機「A380」をハワイ路線に就航させた

 ANAにとってA380は、日本航空(JAL)の牙城であるハワイ路線のシェアを奪う上で、旗印といえる存在だ。実際、ANAが2機を投入した成果は出ている。19~20年の年末年始のハワイ路線は、旅客数が約2万1000人となり、A380が就航していなかった18年に比べ49%増えた。足元では東京からハワイへの座席数ベースのシェアは、ANAとJALで拮抗しているとみられる。ANAは20年4月にA380の3機目を受け取り、6月1日から全14往復を同機で運航して輸送力を高める計画だった。

 ただ、ANAは新型コロナの感染拡大を受け、4月24日まで国際線の約85%を減便すると決めている。ハワイ路線についても、羽田発着便を含めた週21往復全便を運休している。新型コロナは終息の兆しが見えず、影響は長期化が必至だ。徐々に運航が再開されたとしても、超大型旅客機に見合う水準まで需要が回復するには時間がかかる。A380は羽田発着の定期路線への就航が難しく、3機目を計画通り受領しても使い道は限られる。

 航空会社は航空機のリース費用やキャビンアテンダント・パイロットなどの人件費といった固定費の負担が重い。ANAホールディングスの場合、19年3月期の固定費は8807億円で営業費用の約5割に相当する。現状は運休が続いて売上高が大幅に減るなか、航空券の無償での払い戻しにも対応しており、キャッシュの流出が続く。A380はカタログ価格で約500億円近くにのぼる。ANAはA380の導入を遅らせて支出時期を後ろにずらし、当面の手元資金の流出を抑えようとしている。

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