立命館大学が2023年4月入学の入試から、AI(人工知能)教材を活用した新しい「総合型選抜(AO選抜入学試験)」を始める。対象は経済学部とスポーツ健康科学部、食マネジメント学部の3学部。各学部で必要となる数学の単元を、AIスタートアップであるアタマプラス(東京・港)のAI教材「atama+」を通じて事前に学習し、一定水準の学力に達した学生にAO入試の受験資格を与える。

 atama+の特徴は、AIが一人ひとりの学習履歴を分析して不正解の原因を突き止めたり、弱点を克服するための学習教材を提供したりすることだ。「データ分析」や「数列」、「確率」など各学部が求める単元の習得状況や学力水準をAIが判断し、一定のレベルをクリアしたと見なせば受験資格を与える仕組みだ。

 5月から8月までの間にatama+を使い、志望学部が指定する単元を学習したうえで修得認定試験に合格すれば、秋に実施するAO入試の受験資格が得られる(合格発表は11月)。修得認定試験は繰り返し挑戦できるという。立命館大学の伊坂忠夫副学長は「1日1時間の勉強を15~30日間続ければ、受験資格を得られる」と話す。

立命館大学副学長の伊坂忠夫氏(左)とアタマプラス代表取締役の稲田大輔氏
立命館大学副学長の伊坂忠夫氏(左)とアタマプラス代表取締役の稲田大輔氏

「評定平均」だけでは、実力を測りきれない

 立命館大学がAO入試を見直した背景には、高校の「評定平均」だけでは一人ひとりの学生の実力を把握しづらいという問題がある。評定平均をAO入試の受験資格にしていない学部もある。評定平均に頼らず、大学入学後に各学部で求められる学力をどう見極めればいいのか。いくらやる気があり、問題意識が深くても、各学部に本当に必要な数学の知識を身に付けていなければ、講義について行けずにつまずきかねない。こうした課題を解消するために、立命館はAIを活用した新たなAO入試を導入することにした。

 「なりすまし」などの不正対策について、アタマプラスの稲田大輔代表取締役はこう説明する。「定期的に顔写真を撮影したり、回答内容などを分析したりして不正があるかどうか随時確認している」

 立命館大学とアタマプラスは取り組みの有効性を検証したうえで、来年度以降に他学部への導入などを検討する。数学以外の教科で活用できるかも焦点になる。今回の新しいAO入試の仕組みを他大学でも利用できるよう、共同研究コンソーシアムを立ち上げる。

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12/15ウェビナー開催、「外食を救うのは誰か」第1回――すかいらーく創業者の横川氏が登壇

 新型コロナウイルスの感染拡大から3年目となり、外食店に客足が戻りつつあります。一方、大手チェーンが相次ぎ店舗閉鎖を決定するなど、外食産業の苦境に終わりは見えません。どうすれば活気を取り戻せるのか、幅広い取材を通じて課題を解剖したのが、書籍『外食を救うのは誰か』です。
 日経ビジネスLIVEでは書籍発行に連動したウェビナーシリーズを開催します。第1回目は12月15日(木)19:00~20:00、「『安売りが外食苦境の根源だ』ファミレスをつくった男が激白」がテーマです。講師として登壇するのは1970年にファミリーレストラン「すかいらーく」1号店を開業した横川竟氏と、外食経営雑誌『フードビズ』の神山泉主幹です。書籍を執筆した記者の鷲尾龍一がモデレーターとなり、視聴者の皆様からの質問もお受けします。ぜひ、議論にご参加ください。

■日程:12月15日(木)19:00~20:00(予定)
■テーマ:「安売りが外食苦境の根源だ」ファミレスをつくった男が激白
■講師:横川竟氏(すかいらーく創業者、高倉町珈琲会長)、神山泉氏(外食経営雑誌『フードビズ』主幹)
■モデレーター:鷲尾龍一(日経ビジネス記者)
■会場:Zoomを使ったオンラインセミナー(原則ライブ配信)
■主催:日経ビジネス
■受講料:日経ビジネス電子版の有料会員のみ無料となります(いずれも事前登録制、先着順)。有料会員以外は3300円(税込み)となります。
※第2回は詳細が決まり次第ご案内します。

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