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Apple Cardについて発表したApple Pay担当バイスプレジデントのジェニファー・ベイリー氏(AP/アフロ)

 米アップルが米国時間の25日、クレジットカードのサービス「Apple Card」を今夏に米国で始めると発表した。カード発行銀行は米ゴールドマンサックス。アップルは同時に動画のサブスクリプションサービスも発表しているが、「サービス」だけで発表会を開くのは異例のことだ。iPhoneやiTunesなど革新的なモノやサービスを世に問うてきたアップルが、今、新たに提供するクレジットカードとはどんなものなのか――。

 その答えの1つは「テクノロジーの力でセキュリティーを高めたクレジットカード」ということになりそうだ。

 Apple Cardは、iPhoneの電子決済サービス「Apple Pay」で利用する。「Suica」のようにスマホ端末をリーダーにかざして決済する仕組みだ。アップルはiPhoneユーザーにApple Payのサービスを提供してきたが、これまでは仕組みとハードのみアップルが提供し、決済のために他社のクレジットカードを登録させるスタイルだった。Apple Cardは米マスターカードの決済ネットワークを利用し、自らが提供してきたインフラ上に、アプリケーションを開発して搭載する格好だ。クレジットカード手数料といううまみもある。

 Apple Payを使えば、店員にカード番号やセキュリティーコードが記載されたカードを手渡してスキャンしてもらう必要がなくなる。

 これにより、ユーザーの目の届かないところでカードをスキミングされたり、カード番号やセキュリティーコードが記録されたりといった不正を防げる。iPhoneにはパスワードの他、顔認証や指紋認証などの生体認証機能が搭載されており、決済時にこれらを用いることでなりすましも防げるだろう。従来、店舗の端末側にしか表示されなかった決済金額が、決済と同時に速やかに自分のスマホに表示されるので、金額の改変による不正請求にも気付きやすい。