(8)親族が死去しても葬儀はできない?

 イタリアのように、新型コロナウイルスのまん延を防止するために一切の葬儀を禁止している国もある。ただし、「(2)日本ではどんな根拠法に基づく?従わなかったらどうなる?」で前述した通り、日本の現行法下で都内全ての葬儀を禁止するのは難しい。

 ただし、「自粛ムード」は葬儀にも影響を及ぼし始めている。

 葬儀関連サービスなどを展開する、よりそう(東京都品川区)によると、政府がイベントや集会の中止、規模縮小などを要請した後の3月1週目から、通夜と告別式を開かない「火葬式」の比率がそれ以前と比べて1割ほど上昇しているという。「参列者を親族のみに絞ったり、通夜振る舞いの食事をしなかったりというケースも見られる。特に都市部で顕著だ」(同社広報)

 こうした状況を受けて、よりそうでは近親者のみで故人を見送った後、感染症の収束を待って2度目の葬儀を実施する「後葬」のサービスを3月10日から始めた。4月30日までに新型コロナウイルスによる感染症を懸念して最小限の参列者で葬儀を開いたケースを対象に、2度目の葬儀費用のうち3万円(税抜き)を同社が負担する。

 サービス開始後から「相次いで問い合わせを受けている状態だ」(同社広報)という。

(9)対面での受診なしで薬の処方箋はもらえる?

 厚生労働省は2月29日までに、慢性疾患などの持病を持つ患者に対して、直接の受診ではなく電話での問診などでも処方箋を発行できる方針を各自治体に通知した。電話やタブレットなどの通信機器で医師が診察し、患者にそれまで処方していた治療薬を処方し、処方箋を患者が希望する薬局に送付する仕組みだ。

 ただし、新型コロナウイルスの感染が疑われる患者については、重症度の評価が困難であることなどから、医師との対面の診療を要請した。

(10)封鎖中の休業補償はどうなる?

 現状で都市の封鎖に焦点を合わせた補償はなさそうだ。ただ新型コロナにより休業を強いられた企業や個人事業主に対する支援策は既にある。例えば国は経営が悪化した企業が雇用を維持できるようにする「雇用調整助成金」を拡充した。行政の要請の受けて事業所を閉鎖し、事業活動が縮小した事業主に助成金を支給、従業員の休業手当などに充てられる。

 また政府が3月10日に策定した緊急対応策第2弾では、新型コロナの影響で収入が減少した世帯や事業者に対する貸付制度や資金繰りを支える融資の保証制度などが用意された。さらに足元で検討が進む第3弾の対応策でも、休業せざるを得なくなった企業や個人事業主に対する支援策が盛り込まれそうだ。

 3月25日に全土を封鎖したインドでは、既に小売り業から製造業まで幅広い産業が致命的な打撃を受けている。多くの企業や従業員が倒産や失業の危機に晒されたため、全土封鎖の前後でインド政府は税金の支払い遅延に対する利息の軽減や貧困層への食料・現金支給といった経済対策を打ち出している。

 日本でも封鎖を実施するとなれば、合わせてより強力な支援策を打ち出だすことを国や自治体は求められるだろう。ただ仮に支援が手厚くなったとしても、補償される範囲は一部にとどまる。売り上げの減少や損失の拡大は免れないだろう。

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