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 ふるさと納税の行き過ぎた返礼品競争を、かねてより問題視してきた総務省がついに伝家の宝刀を抜いた。石田真敏総務相は22日、2018年度特別交付税の3月配分額をめぐり、大阪府泉佐野市、静岡県小山町、和歌山県高野町、佐賀県みやき町の4市町に対しては、災害対応の分を除いて配分をしないと発表した。いずれもふるさと納税で多額の寄付を集めた自治体だ。総務省は否定するが、地方側は自粛要請に従わない自治体を狙い撃ちしたものと受け止めている。

石田総務相は、和歌山県海南市長を務めたほか、自民党税制調査会の幹事として地方税制を担当し、地方自治全般に詳しい(写真:ロイター/アフロ)

 自治体間の財政格差を調整する地方交付税は、普通交付税(96%)と特別交付税(4%)からなる。普通交付税が、人口や面積など客観的な指標に基づいて算定されるのに対して、特別交付税は「年度当初には想定できない災害発生や、全国統一の物差しでは測れない過疎地特有の課題といった特別な需要に応じて配分する」(総務省財政課)。つまり、一定の裁量の余地がある仕組みと言える。

 総務省は今回、寄付収入が多い4市町について、財政力が十分で交付税を受け取らない川崎市や千葉県浦安市などの「不交付団体」と同様の扱いにした。

 4市町への配分額は、泉佐野市が昨年度比1億9500万円減の6200万円。小山町が7400万円減の0円。高野町が2億3300万円減の2000万円。みやき町が2億900万円減の200万円。高野町の担当者は「事前の連絡もなく、きょうの発表で知らされた。驚いているし、残念だ」と話す。

 石田総務相は「財源配分の均衡を図る観点から行ったもので、過度な返礼品を贈る地方団体へのペナルティーといった趣旨ではない」と強調するが、ふるさと納税に関連して特別交付税を減額した例は過去にない。地方側は「とうとう伝家の宝刀を抜いた」(ある県の幹部)と受け止めている。

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■変更履歴
本文中の「東京都世田谷区など」は「川崎市や千葉県浦安市など」の誤りでした。お詫びして訂正いたします。本文は既に修正済みです [2019/3/23 13:10]