国土交通省が19日に発表した公示地価(2019年1月1日時点)で、前年からの上昇率が全国トップだったのはまたあの場所だった。北海道倶知安町。スキーリゾートが集積するニセコ観光圏の一角で、住宅地で50.0%アップ、商業地で58.8%アップと驚異的な伸び率だ。
パウダースノーを求めるオーストラリア人のスキー客によって確立されたニセコブランド。現在は東南アジアからの観光客や投資家が地価上昇のけん引役になったが、外国人向けの別荘用地、外国人向けの商業施設の土地の価格が上がり、日本人従業員向けの住宅地なども上がるという好循環は続いている。ただ、現地で別荘仲介業を手掛ける東急リゾートのグローバル営業部長の渡辺将一氏は冷静に「一服感が見えつつある」と話す。開発が進んだ結果、条件の良い別荘用地の確保が難しくなってきたほか、地価上昇に伴い割高感も漂い始めていると語る。

そうなると、「第2のニセコ」の登場に関心が移り始めても不思議ではない。
渡辺氏が注目するのは「長野県白馬村」だ。今回の公示地価でも、これまでは横ばいだった同村の別荘地にある地点が10.5%の伸びを見せた。冬季五輪の開催場所であるネームバリューも外国人を引き寄せる魅力になりやすい。渡辺氏はまた第3候補ととして、長野県飯山市と新潟県妙高市にまたがる斑尾高原に注目する。ニセコに飽和感や天井感も漂い始めるなか、各地でのリゾート開発競争にまた拍車がかかりそうだ。
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