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 賃貸アパート大手、レオパレス21の物件で施工不良が見つかった問題で、監督官庁である国土交通省がいら立ちを強めている。同省の指示なしには適切な対応をとらない主体性のなさはもちろんだが、そこにはもう一つ理由がある。

 それは昨年6月に成立し、今夏までに全面施行される改正建築基準法に火の粉が及びかねないことだ。改正法の柱の一つは既存建物の改修を促す規制緩和。それによって改修しやすくし、全国で増え続ける空き家問題を少しでも解消しようというのが狙いだ。アパートのような共同住宅の各住戸を区切る界壁について、天井裏は不要とするなどして、改修にかかる工期や費用の負担を軽減する。

創業者の関与を示唆する第三者委員会の中間報告を受け、会見するレオパレス21の蘆田茂執行役員(中央)ら。違法性の認識については否定した。(写真:共同通信)

 しかし、折悪しくというべきか、レオパレスのアパートでやり玉に挙がったのは、天井裏に界壁がないこと。それが現在の建築基準法に違反していた。

 今回の問題を受けて、野党議員らは「レオパレス問題を放置したままで、同社の法令違反を追認するような規制緩和は認められない」と反発を強めている。

 レオパレスは当初、施工不良問題を調査する第三者委員会の設置に後ろ向きだったが、国交省の指示を受けて方針を転換。3月18日に、設置からわずか半月あまりで、第三者委員会が中間報告をするに至ったのも、国交省が早期の報告を強く求めたからだ。

 こうした、同社の本気度を疑わせる対応に、「国交省もしびれを切らしている」(同省関係者)という。石井啓一国交相は5日の閣議後記者会見で、建築基準法違反が確認された全棟の改修を今夏までに終えるよう指示したと発表。6月までに全物件を調査し、10月までに改修工事を完了させる計画を示していた同社に前倒しを求めている。

 一方で、レオパレスは改修工事の作業員を相場の半額程度の日当で集めていた疑惑も浮上、こちらの対応でも疑問をもたれている。国交省の悩みはいやますばかりだ。

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