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 日本航空(JAL)は3月18日、KDDI総合研究所などと共同で手掛けた飛行機整備の実証実験の模様を公開した。カギを握るのが次世代移動通信規格「5G」だ。 

 実験は、出発準備中の航空機近くや格納庫などの現場にいる整備士の作業を、離れた場所にいる熟練技術者がアドバイスする想定で実施。これまでの「4G」の通信環境では高解像度の映像を安定的に伝送することは難しかったが、5G環境を整えることでリアルタイムで正確な指示が可能になるという。

高解像度の映像に映った機器に印を付け、整備士に次の作業を指示する熟練技術者役のJAL社員

 「まずは電源ボタンをオンにしてください」。熟練技術者役のJAL社員がタッチペンでモニターを触り、電源ボタンに印を付けて指示をすると、離れた場所にいる整備士役の社員が指示通りに機械を操作。熟練技術者はさらに丁寧に指示を続けた。

 5Gを使った遠隔指示に取り組む背景には、整備士不足が今後深刻化する懸念がある。業務が多岐にわたっているため、現時点でも地方空港などでは特定の機器に詳しくない整備士がいるという。そうした中で、各機器の専門知識を有する熟練技術者が遠隔でアドバイスすることによって、整備の遅れによる飛行機の遅延や、整備不良を防ぐことができるようになるという。

 通信機材のコストなど解決すべきハードルが複数あるのは事実だ。だが労働人口の減少で整備士の確保が難しくなる中で、5Gが航空業界の救世主になる可能性を秘めている。

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