日本銀行は3月14、15日の金融政策決定会合で、大規模な金融緩和策を「現状維持」とすることを決めた。景気の先行き見通しについては海外経済に減速の動きが見られるとし、輸出と生産が「足元では弱めの動きとなっている」と見方を下方修正した。一方で、景気の総括判断は「緩やかに拡大している」とする表現を変えなかった。

記者会見する黒田東彦・日銀総裁(写真:ロイター/アフロ)
記者会見する黒田東彦・日銀総裁(写真:ロイター/アフロ)

 15日午後3時半から開かれた黒田東彦・日銀総裁の会見では、輸出と生産の動きが弱まっているにもかかわらず、なぜ総括判断を据え置いたのかという点に質問が集中した。

どんどん減速する状況にはない

 黒田総裁は、日本の輸出や生産に影響を与えているのは主に、昨年後半以降の中国経済および欧州経済の減速であるとした。一方で、米国経済および新興国経済は堅調であるとの見方を示した。とりわけ「インドは7%、インドネシアは5%台を記録している」と、中国以外のアジアの経済成長率が高い点に言及した。

 加えて懸念されている中国経済については、すでに中国政府が景気対策に向けて動き出しているため「どんどん減速する状況にはない」との見方を示した。その上で「年後半には回復の動きが見られる」とした。

 日本の内需については、好調な企業業績を背景に、設備投資増、賃金増の動きが続いているため、消費もブレを伴いながらも堅調に推移しているとした。13日の春闘集中回答日の動きにも言及し「ベースアップの定着、賃上げ手法の多様化は物価上昇の実現を後押ししている」と、賃金上昇の動きが消費増につながり、物価を押し上げる「経済の好循環」は続いているとの判断を変えなかった。

 会見で改めて浮き彫りとなったのは、日銀の強気の姿勢だ。足元の経済に弱さは見られるものの、一時的なものであるとの判断は崩さなかった。肌感覚とはかけ離れた判断に、違和感を覚える会見だった。

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