11日の調査結果発表会では、メルカリの田面木宏尚執行役員(写真右から2人目)と慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科の前野隆司教授(同3人目)に加え、メルカリを利用する60代女性と70代男性も登壇した

 メルカリはシニア世代がフリマアプリをどのように使っているかの実態調査を実施し、11日に結果を発表した。メルカリを使ったことで「社会とのつながりを感じるようになった」と回答した60代以上の利用者は26.8%と20代の利用者に比べ、16.9ポイント多かった。

 調査対象は全国の20代と60代以上の男女に絞り、両年代でそれぞれ824人ずつ、計1648人がインターネット上で回答した。両年代ともに回答者の半数がメルカリを利用している。シニア世代のメルカリ利用者の特徴を明らかにすることが目的という。

 シニア世代ではメルカリを利用し始める目的は「不要品の処分をするため」が79.6%と最も多かった。「お金を得るため」は35%と20代の半分ほどの比率だった。

 11日に都内で開いた発表会では、メルカリを頻繁に利用するという60代女性と70代男性も登壇し、自作の手芸品や譜面台などを出品して、購入者とのコミュニケーションを楽しんでいると語った。国内のメルカリ事業を担う田面木宏尚執行役員は「メルカリを使う楽しみの核にはコミュニケーションがある。知らない人だけでなく家庭内でのコミュニケーションを生む効果もあると考えている」と語り、メルカリが老後を豊かにする効果があるとアピールした。

 シニア層にアピールするのはメルカリの最優良顧客だからだ。1月末に発表した利用動向調査では、2018年の一人あたりの平均月間販売高は全年代平均で17348円だった。一方、60代以上では男性が31960円、女性が29788円。全年代中、販売高が最も高くなっている。60代以上の男女は生前整理などの理由で二次流通価値の高い高額品を数多く手放す。購入者とやり取りし、梱包・発送するといった手間をかける時間もあるとメルカリはみている。

 メルカリは年代別利用者数を公表していないが、60代以上の利用者数は20代と比べ圧倒的に少ないとみられる。利用者として登壇した男女ふたりも、「自分の周りでメルカリを使っている同年代はほとんど皆無」と口をそろえる。メルカリにはシニアの顧客層がブルーオーシャンと映っているようだ。

 メルカリは18年12月に、新聞折り込みチラシを使った宣伝広告を愛知県と北海道で試験的に実施した。浸透が遅れている40代以上の利用者の認知度を上げることを狙った。今後はスマホを持っていなかったり、使い慣れていなかったりしてもメルカリを使えるよう、パソコンのウェブサイトからも売買しやすくするなどインターフェースの改善を予定しているという。

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