バンコクとソウルへの就航計画を発表した「ZIPAIR Tokyo」の西田真吾社長
バンコクとソウルへの就航計画を発表した「ZIPAIR Tokyo」の西田真吾社長

 国内初となる中長距離格安航空会社(LCC)が初手として打ち出した路線はアジアの2都市だった。8日に「ZIPAIR Tokyo(ジップエア・トーキョー)」という新社名を発表し、スタートを切った日本航空子会社のLCC。同社の西田真吾社長は記者会見で、まずは2020年の夏ダイヤで成田からバンコク、ソウルへと結ぶ航路を開設し、将来的に日本と北米を結ぶ太平洋路線などに挑戦する考えを示した。

 ライバルとなる国内航空会社の社員は一様に「『中長距離』LCCじゃなかったっけ?」と苦笑いを浮かべた。中長距離LCCを標榜するジップエアなのに、なぜ就航先がアジア圏のバンコクとソウルなのだろうか。サービス開始にあわせて北米などの長距離路線に乗り出さないのには理由がある。

 それは「ETOPS(イートップス)」という安全確保に向けた国際ルールの壁があるからだ。ジップエアが使用を予定するボーイング787のように2基のエンジンで動く飛行機は、飛行中に片方のエンジンが停止した場合に備えて、一定の時間内に緊急着陸できる空港がある航路でしか運航ができない。

 この時間は機材ごとに決められるが、太平洋路線のように長時間の洋上飛行をするには航空会社の十分な運航実績も必要となる。新規参入で運航実績のないジップエアは需要が見込める近場を最初の就航地として、運航実績をつくっていかなければならなかった。

 白羽の矢を立てたのがバンコクとソウル。西田社長は「いずれも需要が大きく魅力的な路線。両路線を組み合わせて機材稼働率を高めたい」と意気込みを語る。だが、両路線はLCCを含む国内外の航空会社が先行して運航しており、後発のジップエアには不利にも見える。西田社長は「価格はフルサービスキャリアの半分のイメージ」「従来のLCCよりも、ゆとりある座席配置」などの強みがあると強調したが、具体的なフライトスケジュールなどは明かされておらず、競争力があるのかは読めない。

 イートップスの基準認定には1年近くかかるとみられ、太平洋路線の就航は21年以降が濃厚だ。「中長距離」LCCとなるためにも、2路線の事業を軌道に乗せられるか。強敵に囲まれたなかでの就航となる。

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