賃貸大手のレオパレス21が手掛けるアパートで施工不良が見つかった問題で、補修のために退去を求められた居住者の引っ越しが本格化している。7700人余りが対象で、今年3月末までに完了する計画だったが、引っ越しシーズンが重なって苦戦が続く。同社は進捗状況について「公表できない」としているが、人手不足で引っ越し業者のサービス供給能力が限界に達しており、計画通りの完了は厳しい状況だ。

出来るだけ早く退去させようとするのは当然だが、時期も悪かった(東京都中野区のレオパレス21本社、写真:共同通信)

 レオパレス21は9日、東京都内でオーナー向けの説明会を開き、深山英世社長が一連の問題について陳謝した。ただ、これで幕引きとはならない。引っ越しを円滑に進めるめどは立っておらず、退去を求められた居住者の怒りは日に日に増している。

 レオパレス21は、建築基準法違反の疑いがある1324棟のうち天井が耐火性能を満たさず、特に危険な641棟の住民が転居の対象としている。居住者数は2月11日時点で7711人にも上る。一刻も早い転居が必要なことと、年度替わりであることから、完了時期を3月末までとしていた。

 しかし、予想された以上に引っ越し業者の確保が難しかったようだ。ヤマトホールディングス(HD)子会社が代金の過大請求問題で行政処分を受け、3月末分まで引っ越し業務を受注しないこともあり、今シーズンは例年以上に引っ越しの需給がひっ迫している。

 転居を要請した対象は1996年3月から2001年1月の間に32都府県で着工した「ゴールドレジデンス」というタイプで、着工から20年以上が経っている物件もある。このため当時からオーナーが変わっているケースもあり、「転居の対象者全員に連絡が取れているとは言い切れない」(同社の担当者)というのが実情だ。3月末の転居完了は到底不可能な状況に陥っている。

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