「さまざまな『やってみよう』という要素を盛り込んでいる」
JR東日本は3月14日、山手線の49年ぶりの新駅として高輪ゲートウェイ駅(東京・港)を開業する。9日、報道機関向けに実施した内覧会で、同社の担当者はそう力を込めた。

山手線では30番目、京浜東北線としては47番目の駅として生まれる高輪ゲートウェイ駅。JR東が言う「やってみよう」の中で目立つのは、省人化に向けた取り組みだ。
まずは駅構内での警備業務だ。通常は2人1組で警備員が構内を巡回するが、「通常は1人当たり月50万円ほどの人件費がかかる上、人手も集まりにくい状況にある」(駅での警備業務を行うCSPの担当者)。ここに警備ロボット1台を導入して1人分を置き換えることで、月20~25万円のコスト削減につなげることを目指しているという。
ロボットには顔認証用や物体認識用の8つのカメラを搭載。目が不自由な人が使う白杖(はくじょう)を持った利用客を発見したり、たばこや不審火、自動販売機の異常高温をサーモカメラで検知したりした際は、警備員のタブレット端末に情報を送って応援を要請することができる。迷子や指名手配犯の画像を認識させておくことで、保護や早期の逮捕にもつながるという。倒れている人の発見や置き去りになっている荷物の発見機能なども今後備えていくという。


下:白杖を持った人を認識すると、警備員のタブレット端末に連絡する
深夜の清掃業務でもロボットを使用し、省人化を図る。従来は清掃員が業務用の掃除機などを使って清掃しなければならなかったが、センサーによって自律走行をして床の拭き掃除を行うロボットを導入することで、清掃員を別の場所に配置するなど効率化を図ることができる。また、構内や駅周辺の情報を提供する案内ロボットも導入する予定だ。

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