半導体大手のルネサスエレクトロニクスは7日、国内外の工場の一時的な稼働停止を検討していると明らかにした。国内での主力6工場は、最大2カ月の長期間の稼働停止も視野に入る。中国で車載や産業機器向けのマイコン需要が急減しており、在庫調整に踏み切る。車載依存の高さが、裏目に出た格好だ。

国内6工場で最大2カ月、稼働を止める(写真は那珂工場、茨城県ひたちなか市)
国内6工場で最大2カ月、稼働を止める(写真は那珂工場、茨城県ひたちなか市)

 主力6工場は、那珂工場(茨城県ひたちなか市)を筆頭に、シリコンウエハー上に回路を形成する「前工程」を手掛ける。4月末からの大型連休、8月の夏休み期間でそれぞれ1カ月ずつ、工場の稼働を停止する考え。従業員や自動車大手など主要顧客への説明も進めている。

 稼働停止は、中国を中心にルネサスの主力商品であるマイコンの需要が急減しているためだ。2018年夏以降、ルネサスは前工程工場の稼働率を低下し、在庫削減に努めてきた。300mmウエハーを使う工場の稼働率は18年10~12月に6割弱まで低下し社内での在庫は減ったものの、販売チャネルでの在庫は膨らんでいた。今回の稼働停止は、中国の景気回復のペースが同社の想定より遅く、さらなる在庫調整が必要と判断したといえる。

 度重なるリストラの結果、車載や産業向けのマイコンメーカーとして17年12月期に復活を果たしたかに見えたルネサス。だが、そのマイコン依存度の高さにより、他の日本企業に比べて中国景気減速の影響を大きく受けた可能性は高い。

 ルネサスも多角化へ動いている。18年、データセンター向けのアナログ半導体に強い米インテグレーテッド・デバイス・テクノロジー(IDT)を67億ドル(約7300億円)で買収すると発表。柴田英利取締役CFO(最高財務責任者)は日経ビジネスのインタビューに対し、IDT買収の狙いを「クルマ以外の領域を加速度的に伸ばしていく」と回答。脱・車載、脱・マイコンを進めていく姿勢を強調していた。

 もっとも、ルネサスの主戦場である車載分野では、「CASE」(コネクテッド、自動運転、シェアリング、電動化)へ向けて、米国のインテルやクアルコムなどが事業強化を打ち出している。半導体の「巨人」に対して、競争力がある車載領域を強化しつつ、同時に事業の多角化も図れるか。限られたリソースをどう生かすかが問われる局面を迎えている。

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