東京地裁が5日、日産自動車元会長のカルロス・ゴーン被告の保釈を認めた。ゴーン氏は昨年11月19日に金融商品取引法違反(有価証券報告書の虚偽記載)容疑で逮捕されて以来、東京拘置所に勾留されていた。これまでに2度にわたり、東京地裁は保釈請求を却下していたが、なぜ、今回は認められたのか。本当にゴーン氏は拘置所を出られるのか。ポイントをまとめた。

保釈が認められた日産自動車元会長のカルロス・ゴーン被告(写真:ロイター/アフロ)

 裁判所が保釈を認めるかの判断材料は「逃亡や罪証隠滅の可能性があるかどうかにあった」と元特捜検事の弁護士は振り返る。具体的にそれらの可能性がないことを示せれば、裁判所は認めることが大枠としてあったわけだ。

 今回、3回目の請求をしたのは2月13日に弁護人に就いた弘中惇一郎弁護士ら。弘中弁護士は3月4日の日本外国特派員協会(東京・千代田)での記者会見で、「外部と情報交換できないよう、監視カメラの使用などを(裁判所に)提案した」と語っており、こうした具体的な手法が今回、評価されたとみられる。

 東京地裁は今回の決定に併せ、10億円の保釈保証金を求めた。ゴーン氏はこの保証金を準備できれば、拘置所から出られるはずだが、検察側は待ったをかけている。裁判所の決定を不服として準抗告したためだ。裁判所は速やかに判断を下すが、準抗告が却下されれば、ゴーン氏は保釈されることになる。

 ただ、ゴーン氏は拘置所を出た後も行動には制限がつく。東京地裁は住居の国内制限や海外渡航の禁止、証拠隠滅や逃亡を防ぐための条件をつけたとしており、「事実上の軟禁状態となる」(前出の弁護士)。それでも同弁護士は「条件を緩和することはできる。弁護団が粛々と手続きを進め、隠滅の恐れがない状況にすれば、家族に会うこともできるようになるだろう」と話す。

 一方、検察側には、再逮捕に踏み切る手段も残されている。ゴーン氏を巡っては、海外子会社を通じた不動産の不正購入や、中東の知人への不明朗な資金提供などの疑いがある。「検察は(ゴーン氏を)拘置所に閉じ込めることを第一に考える。再逮捕は十分あり得る」と別の弁護士はみている。

 本当にゴーン氏は拘置所から出ることができるか。検察側の対応に注目が集まる。

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