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 衣料品通販サイト「ZOZOTOWN(ゾゾタウン)」を運営するZOZOは3月4日、靴の販売を強化する新施策「ZOZOSHOES(ゾゾシューズ)」を発表した。2019年6月に発表した足の3次元採寸ツール「ZOZOMAT(ゾゾマット)」を活用し、顧客の足の形に合わせて最適な靴の種類・サイズを提案する。ゾゾマットは昨年の発表と同時期に予約受け付けを開始していたが、およそ8カ月を経て、今年2月下旬に順次発送を始めた。

 ゾゾマットの使い方については、昨年発表時から変化はない。マットの中央に足を置き、スマートフォンのゾゾタウンアプリを立ち上げて周囲をぐるりと撮影すると、くるぶしまでの足全体の3次元形状を計測できる。ZOZOはこの形状を元に、機械学習などを用いて最適な商品やサイズをアプリやウェブサイト上で推奨する。例えば足長が25センチメートルの人でも、推奨商品のサイズは24.5センチメートル表示であったり、26センチメートル表示であったりするケースがある。現時点の対応商品は100種類程度だが、今後拡大していくという。

「ZOZOMAT(ゾゾマット)」とアプリで足の3次元形状を計測できる

 ZOZOの伊藤正裕取締役は「万全の状態でサービスを開始するため、延べ6万回の試験を繰り返し、3次元レーザースキャナーとの計測誤差を1ミリメートル台まで縮めた」と自信を見せる。ネット通販で靴を買う際に、サイズに関する懸念を持つ顧客は多い。ZOZOは採寸ツールと商品レコメンド機能を通じて、現時点では年400億円と全体の1割程度にとどまる靴の取扱高を伸ばしたい考えだ。同社は同日、ゾゾマットで採寸した顧客を対象に計1万足を無料でプレゼントするキャンペーンも開始した。

 ゾゾマット自体の注文数は現時点で約71万件で、配送開始から5日間で実際に足を採寸した顧客はおよそ8万4000人に上るという。採寸用ボディースーツ「ZOZOSUIT(ゾゾスーツ)」の予約数は17年11月の受け付け開始から半年で100万件を超えたが、それに比べるとゾゾマットの注目度はやや低い。靴をネット通販で買う習慣があまり根付いていないこともあるが、ゾゾスーツによる計測が精度を欠くケースがあったり、PB(プライベートブランド、自社開発)商品の生産が追いつかず発送が大幅に遅れたりした経緯から、冷静に見る顧客も少なくないようだ。

 伊藤取締役は「PB事業の問題は我々に服作りの経験がなかったこと。しかし今回は体形データを活用して他社商品を販売するMSP(マルチサイズプラットフォーム)事業の一環なので、商品開発という最大の障壁はなくなっている」と語り、ゾゾスーツのつまずきはゾゾマットでは再現しないと強調する。

3月4日の「ゾゾシューズ」記者発表会で登壇したZOZOの伊藤正裕取締役