NTT東日本とNTT西日本がこのほど発表した2019年度の事業計画によると、「固定電話」の契約数は135万件減って1714万件になる見通しだ。ここ数年、固定電話の契約数は年間140万~160万件のペースで減っており、19年度もこのレンジにほぼおさまる。ピークだった1997年に比べると、固定電話は実に20年超で7割以上も減っており、固定から携帯へという時の流れを映す。

(写真:共同通信)
(写真:共同通信)

 NTTグループにとっては既定路線。固定電話はNTT東西が全国一律で安価に提供する義務を負う一方、サービスの維持に年800億円規模の赤字が発生する「お荷物事業」でもある。固定電話用のインフラで中核となる交換機の販売はすでに終了、予備部品も25年には底をつく。

 一連の固定電話のインフラはインターネット技術によるIP電話の方式に一時的に切り替え。利用者は現在の電話機をそのまま使えるが、NTT東西にとっては交換機よりも価格が安いルーターを使うため維持コストを抑えられるメリットがある。

 もっとも、お荷物事業を軽くするだけではこの道のりは終わらない。同時並行で光回線サービスを大きく伸ばす必要があるが、「2010年に3000万件」との目標を掲げたかつてに比べると、足元では伸び悩みが顕著だ。NTT東西は今回の事業計画で、19年度の契約数を2173万件と予想。新規契約から解約を差し引いた純増数目標は60万件にとどまるという。過去には顧客数を下方修正した経緯もある。

 長らく固定電話が主役だった日本の通信市場。そしてその後、光回線が急伸し、さらに携帯電話への主役の座は変わった。NTTグループではその携帯電話も契約数の伸びが鈍っている現状がある。グループ全体では海外事業や会員制サービスなどに軸足を移しつつあるが、「通信で稼ぐ」というビジネスモデルが綻ぶスピードについていけるだろうか。

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