セブン-イレブン・ジャパン(SEJ)は3月中旬から24時間営業の見直しに向けた「実験」を始める。大阪府の加盟店オーナーとの対立が表面化した後も、SEJは「24時間営業の継続に向けて店舗を支援していく」との姿勢だった。方針転換の背景には、持ち株会社からの強い要請があった。

 「当該店舗における深夜営業の縮小については、24時間営業を実施することによるお客様への利便性・安心感についてオーナー様にご理解いただけるよう話し合いを続けてきた」

 SEJが2月20日に公表した声明文は、オーナーとの対立があってもなお24時間営業を続ける意義を強調。「24時間営業を継続できるよう、本部も店内体制を整えるため支援していく」との立場を維持した。

 ここに「待った」をかけたのが、持ち株会社セブン&アイ・ホールディングスだ。企業の社会的責任(CSR)もかんがみて、何かできることはないのか――。セブン関係者は、グループトップである井阪隆一社長サイドから、SEJの古屋一樹社長サイドに対策検討の指示があったと明かす。

 セブン&アイの源流企業、イトーヨーカ堂の創業者として知られる伊藤雅俊名誉会長。その次男で、現在はセブン&アイ取締役を務める伊藤順朗氏が長らくCSR担当だったことからも分かるように、セブン&アイは過去数年でCSRを重視した経営姿勢を強く打ち出すようになった。

 実際、17年秋にSEJが加盟店から徴収するロイヤルティー(経営指導料)の引き下げに踏み切ったときにも、井阪社長の意向が大きく反映された経緯がある。

 コンビニにとって24時間営業はビジネスモデルの根幹ともいえる。割引セールを実施しなくても顧客を惹きつけられる理由の一つには、「いつでも開いている」という付加価値や安心感を提供していることがある。深夜の来店客数はもともと少ないのだから、閉まっても影響は小さいはず……。今回の騒動を受け、消費者からはそんな意見も出ている。だが「いつでも開いている」という安心感があるからこそ、コンビニは昼間でも足を運んでもらえる「馴染みの店」になれている側面がある。

 今回の実験は数カ月程度を予定し、全国の直営10店で始める。社名通り午前7時から午後11時までの営業に切り替え、売上高や客数への影響をみるという。「CSR重視」を貫くのなら、実験の結果を加盟店オーナーや社会と広く共有し、「人口減少時代のコンビニ」「人手不足時代のコンビニ」をテーマに腹を割って話し合う作業も求められそうだ。

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