経団連に加盟する企業の採用説明会が3月1日、解禁された。「金の卵」を確保すべく、企業はこぞって説明会を開催したりES(エントリーシート)を受け付けたりするが、急きょ採用を取りやめる企業が相次いでいる。米中摩擦などで景気の先行きが見通しにくくなってきたことが背景にある。

1日、千葉市の幕張メッセで開かれた合同会社説明会の会場に向かう就職活動の学生(写真:共同通信)
1日、千葉市の幕張メッセで開かれた合同会社説明会の会場に向かう就職活動の学生(写真:共同通信)

 就職情報会社のディスコによると2月1日時点で内定率は8.1%あり、前年同期(4.6%)より3.5ポイント高い。都内私立大のキャリアセンターでも、「通常この時期はESの内容相談が多いが、今年はどの企業の内定を受ければいいかが半分近くある」と驚きを隠さない。企業の採用意欲の強さを背景に、内定時期も前倒しが顕著になっている。

 もっとも、学生にとって気になる動きが足元で出ている。大学内での「企業説明会」を急きょ、取りやめる企業が相次いでいるというのだ。中堅私大の担当者が明かす。「説明会に参加予定だった大手の精密機器メーカーや自動車部品メーカーからキャンセルされた」

 大学内で開催する説明会は、企業にとっては効率よく学生に接触できる機会。採用活動においては、「プラチナチケット」的な位置づけだ。それを土壇場でキャンセルするのは異例だ。

 キャンセルされた大学は他にもある。これらの大学の関係者によると、各社は「米中貿易摩擦や、(スマートフォンのiPhoneの販売不振による)アップルショックなどが引き金となって業績が悪化し、新卒採用を抑えることになった」と説明しているという。「採用ゼロ」を口にする企業もある。

 もちろん、採用に熱心な企業もまだまだ多い。企業にとっては採用競争は相変わらず激しい状況が続いている。だが、今後、世界経済の減速感が強まれば、業績の先行きを不安視して、採用を抑制する企業が増えてもおかしくはない。

 「企業説明会」の裏で出てきた気になる動き。20年春に卒業する大学生の就職活動は波乱含みのスタートとなった。

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