プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)ジャパンは28日、食器用洗剤「ジョイ」を1996年の発売以来初めて全面刷新すると発表した。スプレータイプの洗剤を初めて投入し、食器に泡を吹き付ければスポンジでこすらず汚れを落とせるのが特長。上位4つを花王に独占されている現状を打破するのが狙いだ。

新たに投入するのは「ジョイ ミラクル・クリーン泡スプレー」。水で泡をすすぎさえすれば楽に汚れを落とせ、家事の負担を減らす「時短」を売りにする。同社の調査によると、食事に関する家事の中で「食器洗い」は最も時短ができておらず、生活者の8割がストレスを感じているといい、こうした声に応えた。
「何でも1番ならいいのですが、先行されてしまった」。P&Gジャパンのヴィリアム・トゥラスカ執行役員はこう話した。先を行く存在はもちろん、花王だ。花王が展開する「キュキュット」は、スプレータイプに関しても2016年10月に先んじて発売し、2年余りで3000万本以上を売り上げるヒット商品となった。直近のシェアを見ても「キュキュット」シリーズが上位4つを占め、「ジョイ」シリーズが顔を出すのは5位と6位。「使いやすさ」の追求が得意なP&Gにとっては、耐え難い現実と焦りがある。発売は3月下旬。家庭への浸透なくしてポジション奪還がないことは、言うまでもない。
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