JR東日本がこれまで人手に頼ってきた線路の管理業務の効率化に乗り出す。活用するのは外部の知恵。線路の歪みを高精度に予測する手法の確立を目指す。自社だけでなく社外から広く知識や技術を募る「オープンイノベーション」で鉄道の安全を守る構えだ。

 「驚いた。一番線路のことを知っている我々の開発部門よりも倍近い精度のものもあった」

 2月27日、JR東の伊勢勝巳常務は登壇した入賞者の発表内容に思わずうなった。この日、都内で開かれていたのは経済産業省などが主催した「ビッグデータ分析コンテスト」。データ分析による予測モデルの構築やその精度を競い合う大会だ。

将来の線路の歪みの分析モデルを説明するコンテスト参加者
将来の線路の歪みの分析モデルを説明するコンテスト参加者

 JR東は山手線の最新型車両「E235系」などの床下に設置したモニタリング装置で集めた線路の歪みのデータを提供。参加者はそのデータ分析して、将来の歪み量を導き出すモデル作りを競った。参加したのは163チーム。実に2000件を超すアイデアが集まった。

 線路の歪みをあらかじめ予測し、保守に役立てる作業は鉄道の安全運行に欠かせない。これまではベテラン技術者の点検と診断がカギを握ってきたが、技術者の高齢化による退職や、なり手不足で人手だけに頼らない予測が求められていた。

JR東は今回、最新型車両「E235系」が収集した線路の歪みデータを提供(写真:アフロ)
JR東は今回、最新型車両「E235系」が収集した線路の歪みデータを提供(写真:アフロ)

 伊勢常務は「(あらゆるモノがネットにつながる)IoTやAI(人工知能)、技術者のノウハウの融合が必要になっている。我々も取り組んでいるが、まだまだ発展途上」とコンテストにデータを提供した理由を明かす。

 もともとJR東はオープンイノベーションには積極的だ。これまでもCVC(コーポレート・ベンチャー・キャピタル)を設立してスタートアップに出資したり、自前のコンテストを開くなどして、新ビジネスの創出を模索してきた。

 背景にあるのは人口減少や在宅ワークの進展に伴う移動ニーズの縮小に対する危機感。「自前主義だけでやっていける時代ではない」(伊勢常務)。今回のコンテストはJR東の主催ではないものの、「よりよいモデルにしていきたい」とアイデアの実用化に前向きだ。鉄道事業の生命線である線路の安全確保に、外部からの固定観念にとらわれない発想が用いられる日は遠くないかもしれない。

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12/15ウェビナー開催、「外食を救うのは誰か」第1回――すかいらーく創業者の横川氏が登壇

 新型コロナウイルスの感染拡大から3年目となり、外食店に客足が戻りつつあります。一方、大手チェーンが相次ぎ店舗閉鎖を決定するなど、外食産業の苦境に終わりは見えません。どうすれば活気を取り戻せるのか、幅広い取材を通じて課題を解剖したのが、書籍『外食を救うのは誰か』です。
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■テーマ:「安売りが外食苦境の根源だ」ファミレスをつくった男が激白
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