LIXILグループがプロ経営者として知られる瀬戸欣哉氏のCEO(最高経営責任者)の昨秋の退任の経緯を調査・検証した結果を発表した。その検証結果を検証して見えてきたのは、やはり一連の人事異動は不可解で、創業一族の潮田洋一郎氏(現会長兼CEO、当時は取締役・取締役会議長)による事実上の瀬戸氏解任だった、という事実だ。

発表したのは報告書ではなく、LIXILが要約したもの。A4サイズで8ページの分量だ
発表したのは報告書ではなく、LIXILが要約したもの。A4サイズで8ページの分量だ

 3月4日号の日経ビジネス「LIXIL、CEO退任手続きの検証結果でガバナンス不全を露呈」(日経ビジネス電子版では2月27日掲載)で詳報した通り、この検証結果は一連の人事の決定プロセスが適切ではないのではないか、という各方面からの指摘を受けて、会社側が西村あさひ法律事務所に調査を委託したものだ。

 調査報告書をまとめたのは西村あさひだが、25日の発表はその報告書そのものではなく、報告書をLIXILが要約したもの。実際には「もっとまずいことが書いてある」(関係者)ため、「都合の悪い部分は開示しなかったのではないか。調査報告書そのものの開示を求めたい」(LIXILの株主)という指摘が早くも出てきている。

 今回の調査では、昨年10月31日の取締役会において、瀬戸氏自身はCEOを自身から潮田氏に替える決議に反対していたことが明らかになった。ここからわかるのは、瀬戸氏は最後まで「CEOを降りることに納得していなかった」ということだ。CEOを辞めることに対し、不本意ではあっても瀬戸氏が納得していれば、決議に反対することはないはず。つまり、この人事は最後まで瀬戸氏の意思に反して決められたもの、正確には辞任ではなく解任だったということになる。

 潮田氏は指名委員会に対し、さも瀬戸氏に辞意があるような事前説明をしたと考えられており、発表文の中でも「(潮田氏の説明は)指名委員の誤解を招く可能性の高いものであったと考えられる」と書かれている。そして指名委員会で瀬戸氏CEO退任の案が決まると、潮田氏は「辞任するにしても11月1日(付)は早すぎて混乱が生じると反対した」瀬戸氏に「諸事象を含めて論議した機関決定をくつがえすのは困難」と電子メールを送信したとされる。

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