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 「(生産中止後も)部品供給やバックアップは緩めることなくやっていくというコミットメントがある。エアバスとは長年の信頼関係があり、体制への不安はない」

 ANAホールディングスの片野坂真哉社長は26日、定例記者会見でこう強調した。欧州エアバスが14日に超大型旅客機「A380」の生産中止と2021年以降の納入停止を発表、そのことについての質問に対する回答だった。ANAは日本の航空会社では唯一、このA380を3機購入、2019年から運用を始める。

 同社はA380を成田―ハワイ・ホノルル路線へ19年5月に投入する予定で、ライバル日本航空の牙城であるハワイ路線のシェアを奪うべく積極的な宣伝を展開している。成田を含めた日本―ハワイ路線のシェアはJALが3割強、対するANAは1割台にとどまる。そこで520席のA380を投入で一気に差を詰めようという算段だ。

ANAが成田ーホノルル線に投入するA380

 それが、投入まで残り約3カ月となってエアバスから生産終了が発表された。「先だって(エアバスから)丁寧な説明があった」(片野坂社長)というが、水を差された格好に変わりはない。世界の航空業界ではA380のような超大型機ではなく、米ボーイング「787」など、座席数200~300程度で長距離飛行ができる旅客機の方が需要を伸ばしている。

 500席を優に超える超大型機の場合、繁忙期や人気路線では大量輸送の能力が生きるほか、大きな機体を利用した独自の仕様やサービスが可能になる。ANAもフットレストを持ち上げるとベッドのように横になれる「カウチシート」をエコノミークラスの一部に入れたほか、ホノルル路線で初めて導入するファーストクラスはドア付きの個室とするなどしている。こうした強みがある一方で、閑散期や需要変動の激しい路線では、その大きさゆえに座席が埋まらず、不採算に陥るリスクも抱えている。

 連日のCMの効果もあってか「予約は好調で手応えを感じている」(全日空の平子裕志社長)というANAのホノルル線。A380の生産中止があらためて印象づけた超大型機離れの中、ANAは例外となりうるか。

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